地獄の沙汰も嫁次第 | ナノ

酒と女でダメになる究極の例






「悪女っていや、呂雉や則天武后や西太后だけど、男は絶対妲己に酔うね。なんせ絶世の美女だからな。」

『そうなのですか?怖そうな方なのに…。』


ぽつりと呟く琴音に鬼灯が説明する。


「美女の苛虐性というのは…不公平ですが一般人より魅力的なものなんですよ。」

「白澤様、会ったことないんですか?」


桃太郎の質問に白澤は顔をしかめる。


「これがないんだな〜。会いたいねぇ。」

「彼女なら日本へ来て玉藻前という女性になり、鳥羽上皇を惑わしました。」

『日本に来ていらっしゃったんですね。』

「でも陰陽師に本性見破られ、バレてボコられて石になりました。」

「才女の割に詰めが超甘いなぁ!」

『かわいそうですね…。』

「そうでもないですよ。現在、衆合地獄の花街でぼったくり妓楼をやってますし。」


鬼灯の言葉にハッとなり、体を起こす白澤。


「あっ!あの店そうだったのか!」

「その口ぶりはもう行ったんですね?」

「はぁ…行ったも何も昨日行ったよ。」


呆れたように言う桃太郎に答えつつ、再びお香の膝枕に頭を預ける白澤。


「あぁ〜そうかぁ…彼女がそうだったのかぁ。」

「えっ?」

「だいぶ酔ってたからな〜。気付かなかったよ。」

「えっ?えっ?」

「いや昨日の…あれ?桃タロー君、今朝会ったんでしょ?」


白澤の言葉に、桃太郎は今朝会った美人のことを思い出した。


「あれか〜っっ!!!」


(ってことは…こいつ国を傾けた妖婦と火遊びしやがった!)


『桃太郎さん、会われたのですか?』

「えぇ…まぁ…。」


((私も少し、お会いしてみたいかも…。))


「支払い大丈夫?あそこぼったくりのレベルじゃなかったでしょう?」


心配げに問うお香に鬼灯は続けるように口を開く。


「言っておきますが、金は貸しませんよ。」

「あはっ!美酒と美女ですかんぴんだ!」


周りの心配をよそに、相変わらずな様子で呑気に笑う白澤なのだった。


END

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