おまけ
「琴音、今日は嫌な思いをさせてしまってすみませんでした。」
申し訳なさそうに謝る鬼灯に琴音は首を横に振る。
『いえ、鬼灯様のせいではありませんから。それに私の方こそ、いきなり泣いたりしてすみませんでした…。』
「それは大丈夫ですよ。あなたにはもちろん笑っていてほしいですが、私のためを想って泣いてくださるのはとても嬉しいですから。」
鬼灯の言葉に琴音は嬉しそうに柔らかな笑みを浮かべる。
『私も嬉しかったです。もちろん、鬼灯様のことは信頼してますし、疑ってはいなかったのですが、あんな風に宣言してくださったお陰でより安心できました。』
「それならよかったです。」
安心したように言うと、鬼灯はそっと琴音の頬に手を添え、真剣な眼差しを向ける。
「琴音。もしかしたらまた今日のようにあなたを傷つけてしまう事があるかもしれません。ですが何度も言いますように、私にはあなたさえいてくれればよいのです。ですから、私を信じてくださいね?」
『はい』
ふわりと嬉しそうに微笑む琴音に鬼灯もつられるように笑みを浮かべると、そっと彼女の額に口づけたのだった。
END*
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