▽やきもち
『え!そうなの?』
「うん。それでね、この間も……」
今は昼休みで、同じクラスで、彼氏であるハルくんの友達の真琴くんと楽しく話している。
すると、さっきまで机に突っ伏して寝ていたはずのハルくんがこっちにやって来た。
『あれ?ハルくん、起きたのー?』
「……ちょっと来い」
『え?』
その瞬間、ハルくんは私の腕を掴んで教室を出た。
『ちょ、ちょっとハルくん!?どうしたの?』
人気のないところまで来ると、ハルくんは手を離し、くるりと振り返った。
『ハルくん…?』
首をかしげると、ハルくんはぎゅっと私を抱き締めた。
「……見せるな。」
『え?』
「…あんまり、他の男に笑顔とか見せるな。」
『!!』
((もしかして…嫉妬?))
普段ヤキモチ妬くのは私ばかりだったから、嬉しくてハルくんをぎゅっと抱き締め返した。
『大丈夫!私が好きなのは、ずっと、ずーっとハルくんだけだよ。』
「!!」
私の言葉に安心したのか、ハルくんは体を離した。
「悪い…俺、カッコ悪いな…。」
『ううん、嬉しかったよ。』
私が笑うと、ハルくんも少し笑ってくれた。
「それと、俺も…ずっと、お前だけが好きだ。」
『!!……うんっ!』
嬉しくて、ぎゅっと抱きつくと、ハルくんは私に優しい口づけをくれた。
END
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