ほろよいMAXはーと!! 梢姉さんが性懲りもなくワグナリアへ酒を飲みに来た。 酒の種類が少ないと駄々こねていた。ここはファミレスだっつの。 彼氏にフラれたーっ!とやけ酒していた。 酔っ払ってチーフや先輩に絡んでいた。 ワグナリアの閉店ギリギリまで図々しく居座っていた。 …此処まではいつも通りの光景だったんだ。けれど、その後がいつも通りじゃなかった。 「まだまだ飲み足りないわよーっ、」 「煩い帰れ酔っ払いが!」 「やだぁ宗ちゃん冷たい……あ、そおだぁー♪ いつも宗太がお世話になってる御礼にぃ、今ここにいるワグナリアの皆様を小鳥遊家に招待しちゃいまーす♪」 ど う し て そ う な っ た ? ……………という訳で俺、小鳥遊宗太はただ今我が家のキッチンでひたすら莫大な量のつまみを作っている最中だ。 というのも、梢姉さんが店長に「宗ちゃんの作るおつまみおいしいの〜」とかなんとかほざくから、食欲魔人の胃袋に火が付いてしまい、「よし皆、小鳥遊の家につまみを食いに行くぞ。」だなんてなんとも男らしい宣言をしてしまったからである。 それからの店長の行動は早かった。 店を閉めた後、こっそり帰ろうとしていた佐藤さんを捕まえ、あれこれと理由を述べ断ろうとした相馬さんを来いの一言で一刀両断し、帰りはちゃんと送るからと先輩と伊波さんを説得し、山田は責任をもって自分の家に泊める事を決意、…チーフは言わずもがな一言も反論などしていなかった。 酒には見向きもせずひたすらつまみを食い続ける店長とそのよこで幸せそうに店長を見つめるチーフ。 梢姉さんにビールの泡を飲まされ酔っ払った伊波さんと先輩。伊波さんは酔って眠ってしまったが先輩は少しぼんやりしているだけみたいだ。 そして山田は何気にビールジョッキ三杯目だった。一枝姉さんがいたら未成年飲酒で殺されてたぞ山田。 …そんな感じで小鳥遊家にワグナリアの面々が揃うというなんとも恐ろしい自体になってしまった訳だが、 「さとぉくぅん……。」 「…ん、そーま…。」 …もっと恐ろしい事に、なんとホモカップルが酔いに任せて覚醒してしまいました。佐藤さん、あなた車で来たのに何故飲んだし。 「ちょっと、のみすぎちゃったよ……」 佐藤さんの胡座の間に横向きに座りながらこてりと胸に頭を預け、相馬さんは心地良さそうにゆるりと目を閉じる。 「さとー…くん……」 「どうした?」 「んーん…呼んだだけぇ…」 「そうか。………相馬。」 「うん…?なぁに?」 「呼んだだけだ。」 「ん、そっかー…」 酔いに紅潮した相馬さんの頬をまるで甘やかすみたいに指でついついとつつく。 「んー…くすぐったいよさとーくん…」 擽ったそうに身をよじりながら相馬さんがくすくすと笑い、頬をつつく指をかぷりと甘噛みして、佐藤さんに「こら。」だなんて少しも怒ってない、寧ろ甘さを含んだ声で叱られていた。 ……ここは決してあんたらの家ではなくて、しかも回りにはワグナリアの面々が揃ってるんですが…ね……。 「……店長…。…職場内の恋愛は禁止じゃありませんでしたか…」 「禁止だが…まあ…アレは…大丈夫そうだし、許可」 「あっさり許可しないで下さい!」 店長とそんなやり取りをしている間にもどんどん盛り上がっていくホモカップルはついに、 「ほら…相馬…」 くい、指先で相馬さんの顎を引っ掻け顔をあげさせる。あともう数センチでキスしそうな、凄く危険な位置にお互いの顔がある。 「やん…皆見てるよ?恥ずかしいよ佐藤君…」 「気にすんな。あんな奴ら、ジャガ芋だとでも思っとけ」 …ぅゎぁ、ひとんちで勝手に盛り上がった揚句人の事イモ扱いかー腹立たしい。ていうかなんでジャガ芋? 「相馬…!」 「佐藤君…!」 ぶっちゅぅぅぅぅう。 うわぁぁぁぁぁぁあ。 こいつらマジで勘弁してくれ…!ホモのキスとかもーわぁぁあトラウマ確定…! 山田と梢姉さんはうきうきした顔で二人を見てるし、店長はチーフの目を片手で隠しながらそれでも視線は二人に向けたまま一心不乱につまみを平らげていた。 先輩は酒のお陰か既に伊波さんと共に眠っていた。よかった。本当によかった。こんなホモを先輩にだけは見せたくない。 …いや、でも、確かにホモのキスとか勘弁なんだけど、二人ともなまじ顔がイイからそれなりに絵になる、ッ……だなんてそんな事一瞬でも考えた俺が馬鹿だったぁぁぁぁぁその生々しい水音 ヤ メ ロ ォ ォ ォ ! 「すごいです。口端から飲み込みきれなかった唾液が伝うのも気にせずただひたすら舌の表面同士を擦り合わせてます。相馬さんなんてもう蕩けて今にもイきそうな顔していますよ。きっと佐藤さんに薄目で顔を見られてる事にも気付いていませんね。あ、佐藤さんの手が相馬さんの服の中に忍び込んで、」 演説ヤメロ山田ァァァァア!そしてホモカップル自重しろぉぉぉぉぉ! …っていうか大変だ、このまま放っておいたらこいつら確実にこの場でヤる。 ディープキスは100歩譲っても御免だがこれは流石に死んでも御免だ。 「て、店長。」 「なんだ。」 「この二人を佐藤さん家に送ってください。」 「何故私に言う。」 「優秀な部下の方でもなんでも使っていいですから、とにかくこの家から二人を追い出して頂ければ、つまみを追加します」 「任せろ」 ………そんなこんなで、店長が携帯で電話を掛け数分もしないうちに数人の部下の方が来て、二人を連れ帰ってくれたのでホモの公開プレイを拝まずに済んだ訳だけれど。(因みに梢姉さんと山田は残念がっていた。) けれど俺は、暫くあの生々しいディープキスのトラウマから抜け出せそうになかった。 今日の教訓 『ホモカップルに酒を飲ませるな。』 翌朝 「……なんでお前そんな機嫌いいの…おもいっきり見られたんだぞ…皆に…」 「ふふ、だって小鳥遊君のお姉さん一時期佐藤君の事狙ってたし、牽制できたなぁって♪」 「…あ?意味ねぇだろそれ」 「え?どうして?」 「他の誰に言い寄られようが俺はお前以外を選ぶつもりはねぇからだよ」 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」 「…?おい、どうした。こっち向け。」 要ちゃんの5000打記念リクの時に『仕事終了後にお酒を皆で飲んで酔って周りが見えないさとそま』とリクしてもらった小説です! <翌朝>部分はメールで貰ったので許可出たのでそのまま転載^^* 甘い!ラブい!! 私は要ちゃんの本能に忠実なイケメン佐藤君が大好きです。相馬さんの色気にメロメロになればいいです、へへ! 二人だけの世界な佐相かわゆ! 相馬さんは強かなのが良いですよね!勿論乙女なのも好きですが!相馬さんは酔っても記憶飛ばなさそうですよねー*^^* そして私は常々山田は良いポジションにいるなぁと思うわけですよ!!山田になりたい(笑) ほんとに、素敵小説を有難うございました!!! 要ちゃんらぶ! <<戻 |