「………」


起きたら身体がだるかった。
風邪か、疲労か。
臨也は暫くベッドの中で、目を閉じてぼんやり考える。

昨晩ゲリラ豪雨に合い、傘を持ち合わせてなかった為に濡れ鼠になって事務所に帰り、波江や津軽に散々説教されたのを思い出した。
風邪、か。
原因を思い当たり満足しつつ、もう一度、ベッドに潜り込むように布団を引き寄せる。情報屋として飛び回り、静雄とは殺し合いの喧嘩をするのが日常になっている。
少し休む、ということがあってもいいかもしれない。








さら、さら、


「…つが、る…?」


馴染み有る感覚の手が髪を撫でる。声が掠れながらも名前を呼んでみる。
意識が夢と現の間をゆったり行き来している。


(シズちゃんのはず、ないし)


「………寝ろ」


ぶっきらぼうな言い草に、小さな優しさを感じる。
こくん、と頷いて、ゆっくりと髪をすく掌に頬を寄せる。



(なんか、幸せ、)
あったかい。


自然に笑みが漏れる。
ぴくり、と反応するのは臨也には伝わらない。






限界まであと少し
(…津軽相手だと、ノミ蟲のやつこんな顔しやがるのか!?)






*オマケ*

「津軽、ノミ蟲はお前には甘えるのか」
イライラと臨也の部屋から出てきた静雄はソファに座る津軽とサイケの元に向かう。
「えっ、つがる、うわき!?」
「いや、手前は黙ってろ」
「ええなんで!ていうか、ノミむしってだれっ」
「「そこからかっ!?」」
「…ぷー…つがるー、おれも甘えたいなぁいざやくんばっかずるい」
津軽が無言で腕を広げれば、サイケは満面の笑みで抱き付いた。
「ぎゅー♪」
「ん」
「……なんかイラつくんだが」
サイケが津軽の背中に腕を回したまま、視線だけ静雄に向けてぽつり。

「うらやましいなら、すなおになればいいんだよ」

「出来たら苦労しねえよ、しばくぞ」
「おれなぐったら、いざやくんだまってないからね」
「……」
「静雄、今度は起きてる時に頭撫でてやれば良い」
「…出来ねえよ」
柄でもない、と静雄が苦笑する。





「やってよ、そしたら、もう、間違えないから」
何処からか、声が聞こえた。









これまた風邪ネタです。
風邪引いてる時ってry
サイケは末っ子気質で意外と強かだといいなぁ^^
臨也は、津軽には甘えてシズちゃんいがいがすればいいです。



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