「おい、相馬。休憩室、見てきてくれ」



相馬が倉庫から皿の入った段ボールを持ってきて直ぐに声が掛かった。突然の店長からの言葉にきょとんとしてから、周囲を見渡せば先程まで一緒にキッチンに立っていた佐藤の姿がない。


「佐藤くん、ですか」
「あぁ、なんか調子悪そうでな。今休ませてる」
早退するよう言ってきてくれ。


相馬が席を外している間にそんな会話がなされていたとは。
何よりも佐藤の体調が優れないことに気付けなかった自分が悔しく感じて、小さく俯いた。


「相馬まで…大丈夫か?あぁ、佐藤が"相馬に心配掛けたくないから休憩入ったって言え"って言ってたぞ」


「…店長、全部言っちゃってますけど」
「そうだったか?」
相馬が苦笑して言えば、店長は首を傾げてから「腹減ったなー…」と呟きながらキッチンを後にした。その様子を見送ってから、今急を要する注文が無いのを確認して休憩室に向かった。





「…風邪引いちゃったの?」


休憩室に突っ伏して寝ている佐藤に小さく声を掛ける。いつもなら充満している煙草の煙がない。


「…寝てるなら、それでいいけど…体調悪いなら悪いって言ってくれないと。今日は2人だったんだから佐藤くん抜けると大変なの知ってるでしょ」


一息で言ってから小さく溜め息をつく。


「…ていうのは建前で、店長のが俺より先に不調に気付いたのが…なんか面白くない」


佐藤の突っ伏す席の横に行き、身を屈めて耳元に囁く。精一杯甘く甘く。言い終えれば満足したように、相馬はキッチンに戻った。




「今夜、行くから」
待ってて。




俺に移して
(なんて誘い文句!!)
(熱上がるじゃねえか…っっ)











定番、風邪ネタ。
自分が引いてると書きたくなりますね…っっ
ま、佐藤くんは、相馬さんが来た時から起きてた訳です。
相馬は佐藤の家にて、大人な運動して風邪を移してもらいます。キリッ



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