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パチっと目を開けると、ババババババ…って爆音が耳に入った。
見たことのない高い天井に、ジメっとした空気…
「ユカリ!ミツル、ユカリ起きたよっ!」
わたしの腕を掴む温もりと、涙目の沙和の大きな瞳に、わたしは軽く微笑んだ。
沙和がホッとしたようにその場に尻餅をついて、その後ろからミツルくんの顔が見えた。
「具合はどうだ?」
「…うん」
「悪かったな、怖い思いさせて」
「うううん。ミツルくんのせいじゃ…―――ツヨシは?」
わたしがここにいる理由。
わたしをバイクから降ろしてあの物置に閉じ込めたツヨシのことをふと思い出した。
「あー…」
気まずそうなミツルくんと沙和の表情に、胸騒ぎがしてしまう。
わたしはソファーに肘をついて身体を起こした。
夜の闇に包まれたここ、青い倉庫は、遅い時間にも関わらずまだ沢山の人が残っていて、バイクを唸らせていた。
一番手前にあるソファーに寝かされていたわたしは、奥に視線を向けるものの、和也くんやらゆきみやらの姿はない。