目覚めの朝1
世の中はウソで溢れかえっている。

大人になると、墓まで持っていきたくなるような、誰にも言えない秘密の一つや二つある。

社会の荒波にもまれて

時にウソをつかなきゃいけないこともある…


―――そう、あの日の私みたいに…。




パチっと目を開けると見慣れない天井と景色。

激しい頭痛に顔をしかめた。

シルク素材のこのベッドの上で、私は目を覚ました。


「うーん…」


えっ!?

なにっ??

嫌な予感がしてモゾモゾと振り返ると、私を後ろから抱きしめるみたいに腰に腕を回している男…。

小麦色の美肌に、男って感じの骨格というか、骨というか…私に絡まっている腕が私を閉じ込めるみたいに抱きしめてきて。

彼の薄い唇が緩く動いて、「まだ早えよ…」そう言うんだ。

いやっ!!

早いとか関係ないし、ってゆうか…―――
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