世の中はウソで溢れかえっている。
大人になると、墓まで持っていきたくなるような、誰にも言えない秘密の一つや二つある。
社会の荒波にもまれて
時にウソをつかなきゃいけないこともある…
―――そう、あの日の私みたいに…。
パチっと目を開けると見慣れない天井と景色。
激しい頭痛に顔をしかめた。
シルク素材のこのベッドの上で、私は目を覚ました。
「うーん…」
えっ!?
なにっ??
嫌な予感がしてモゾモゾと振り返ると、私を後ろから抱きしめるみたいに腰に腕を回している男…。
小麦色の美肌に、男って感じの骨格というか、骨というか…私に絡まっている腕が私を閉じ込めるみたいに抱きしめてきて。
彼の薄い唇が緩く動いて、「まだ早えよ…」そう言うんだ。
いやっ!!
早いとか関係ないし、ってゆうか…―――
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