▼ 雷翔のやり方1
「てっちゃん、直ちゃん!話があるっ!」
sevenの溜まり場の倉庫に、広臣と一緒にやってきた。
勿論のこと、広臣の存在にチームみんなが異様な空気を醸し出しているのが分かった。
でもそんなの私にはどうでもよくって。
私が頭の妹だって事実だけでこの場では広臣を守っていた。
「おいおい、敵をやすやす入れるなんてクソどこにいるんだ、てめぇ」
直人が入ってそうそう威嚇してくる。
黒ソファーに座っている哲也は黙ってただこっちを見つめていて。
「広臣と付き合ってる!だから広臣と私の事、そっとしておいてほしい!」
「却下。日本語喋れや、クソ女」
直人は私に容赦なくて。
実の妹にクソ女って、酷い。
「訂正しろよ、クソ女って。俺の女侮辱すんなよな、」
ジロリと広臣が直人を睨みつけた。
でもそれは直人の怒りを煽るだけであって。
「あ?」
思いっきりドスの聞いたその声と、直人の足が一歩こちらに向かって近づいたことで、哲也が「直人!」言葉で直人を止めた。
「登坂さー雷翔抜けんの?そーいうことでしょ?」
「…抜けねぇ。俺のチームは雷翔だけだ。何度も言わせんな。けど樹里亜のことも諦めねぇ…」
「お前それが人にものを頼む態度かよ?」
一々隣から茶々を入れる直人がうざったくて、隣に座っているゆきみさんに思わず目を向ける。
ゆきみさんは私を見てニッコリと微笑んだ。
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