■ プロローグ

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『あたし達、幸せになる為に出逢ったんだね』



そう言った奈々の笑顔を守りたかった。



「やっと言える…――愛してる…」



そう言ってくれた哲也の愛がホンモノだって、信じたかった。




でも…


人生は何が起こるかなんて分からない。



きっとわたしがもっと強かったならば、違う答えだったのかもしれない。



戻ることのできないその場所にいったのは、わたし。



他の誰でもない、わたし自身。



ねぇ、哲也…



それでもわたし、哲也が好き。