似たもの同士1





彼の周りだけ


輝いて見えちゃう私って…


――――――――――…




「帰るぞー」


アキラの声にハッとして、私はタカヒロくんの腕の中から顔を出した。

カァー…

頭に血が上るみたいに顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。

恥ずかしさのあまり俯く私の肩に、タカヒロくんの腕が回された。


「うん、またな」


そんな軽い挨拶が聞こえて…

少し視線を感じた私は顔を上げると、やっぱりこちらを見ていたアキラ。


『今日は有難う』


そう言うと、アキラは口端を上げて目を細めた。


「じゃね〜」


クルッと向きを変えてゆっくりと歩き出した。


「…何もされてない?」


心配性なタカヒロくんの不安げな声に、私は笑顔で『うん』って返した。

きっとタカヒロくんだって、私とアキラを信じてくれているって思う。

…―――思うけど、不安になるのは好きだからって。

そう思ってイイんだよね?



そうして私達は電車を乗り継いで、タカヒロくんの地元の駅に降り立った。


「今日はユヅキの家にする?」

『えっ?私の?』

「うん、昨日俺ん家だったし、ユヅキの荷物とか服とかそういうの色々揃った方がいいのかな?って思って。俺は特に用意するもんないし」


…嬉しい。

アキラと買い物する前に、家で必要な物を揃えてくればよかった…ってちょっと後悔していたから。

こんな風に些細な女心を自然に理解してくれるタカヒロくんの気遣いに、感動すら覚えてしまうわけで。

それが余計なお節介かな?って不安になるタカヒロくんが可愛くも思えて。

こんなタカヒロくんが今までどうして女の人と別れを繰り返していたのか、不思議で仕方ない。


別に気にするわけじゃないんだけど…

気にならないこともなくて。


機会があったら聞いてみよっかな〜なんて思っていたら、それが顔に出ていたらしい私を、やっぱり不安げに覗き込むタカヒロくん。






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