最初で最後1
甘くて甘くて
おかしくなりそうな
そんな幸せ…
―――――――――…
たぶん…
うううんっ、絶対に…
タカヒロくんはキスがうまい。
醸し出すっていうか、タカヒロくん自体が色っぽいというよりエロティックな作りなんじゃないかと思われる。
口角の上がった赤い唇だったり、低めの声だったり…
絡み付くような視線もそう。
何もかもが私を虜にしている。
熱烈なキスをしていると自然と漏れる吐息が又、私を熱くさせる。
そんなことに一々反応している私は大丈夫だろうか?
滑らかなのに強引な舌使いに私は溶けそうな気分。
塞がれているのは口だけじゃなくて、タカヒロくんの両手は私の胸元を自由に徘徊している。
タカヒロくんの首に回した私の腕は、半ば強引にタカヒロくんを縛り付けているようにも思えて。
キスが終わらないのはそのせい。
それでも徘徊しているタカヒロくんの指は、私の突起をギュンって摘みあげて遊んでいるよう。
回りを指先で枠づけるように辿って、硬くなったその先をチョンッて摘むと、ゾゾゾゾッて何ともいえない快感が私を突き上げる。
ただ、触れてるそれだけのことでもう、ジンジンしていた。
「ユヅキ……可愛いよ」
呼び捨てにされたことも、「可愛い」と言われたことも、私の喜びを増長させるには十分で、スルッと首に巻き付けた腕を離すと、解放されたようにタカヒロくんの舌が私の身体を這いだした。
リンパのラインを舌先だけでツー…っと下って、首筋ギリギリの所でチュパッと舌を動かした。
『ンッ…』
思わず漏れた声にほんの少し微笑んだタカヒロくんは、私の身体に紅い花を咲かせていく。
時折「はぁっ…」って大量に吐息を漏らすと、私の下半身が疼く。
舌と指を多いに使って私を快楽に導くタカヒロくんの身体はほんのり汗が出ていて、ほてった身体と吐息がまるでビヤクみたいに私を侵していく。
「ごめん俺…無理矢理になってたら言って?…興奮しすぎて、わけわかんなくなってる…」
ハッとタカヒロくんが私の身体から顔を離して、私の上にコテって乗りかかって掠れた声でそう言った。
何気なく言った言葉なんだろうけど、私にとっては嬉しかった。
『タカヒロくん、キスうまいね?』
「えっ?」
ちょっとだけ引き攣ったタカヒロくんの顔に私はニコッと笑った。
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