本物1




『好き』とか『愛してる』とか


言葉じゃない気持ちで伝わってるなんて


――――はじめてだよ




―――――――――――…


『ごめんね狭くて』


ほてった身体の私達。

タカヒロくんの髪にシャンプーをつけてクシャクシャ洗う私がそう言うと、泡だらけのタカヒロくんの手が私の髪をクシャッと撫でた。

狭いお風呂場で向かい合ってお互いの髪の毛を洗っている。

こんな光景想像もできなくて。

お風呂ぐらいゆっくり浸かりたいって思っていたのが嘘のよう。


「狭い方がユヅキと近くて嬉しい…つーか…」


照れた様にそう言って口をつぐむタカヒロくんは、小さく溜息をついて視線を落とした。


『ふふふ、大丈夫?』

「ん、まぁ…でもあんま俺に触らないで…」


掠れた声でそう言うタカヒロくんの下半身はさっきから元気いっぱいで。

ちょっとだけ苦しそう。

私がタカヒロくんに触る度に身体をピクンって反応させるタカヒロくんが可愛くて仕方ない。


『シャワー出しまーす』


そう言って壁に掛かっているシャワーのお湯を出してタカヒロくんの後ろに回った。

背中に手を掛けるとやっぱり反応して。

不意に耳元で「ごめん」って声が聞こえたら、タカヒロくんの腕が私を掴まえて、シャワーがかかるのと同時、タカヒロくんの唇が私の唇に触れた。


強く抱き寄せられて夢中でキスをする―――――

頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなっちゃう…

優しく背中をなぞるタカヒロくんの手が快感を誘って…

そのまま私の全身をなぞり続ける。

湯船の淵に背中を預けて開いた足の内側をザラついた舌が這っていく…

なんともいえないその感覚に、私は一人呼吸を荒げていく。

絡み付くような強い視線と甘い舌に、私はタカヒロくんの指に自分の指を絡ませた。






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