SHORT U | ナノ

 秘密のレッスン1

「あ〜もうっ!!俺はどーすりゃいんだよおおおおー」


机に伏せって頭を抱える。

そんな俺の肩をポンッと叩いたのは親友の哲也。


「直人まだ悩んでるの?」


軽々しくそんな言葉を発せるのは、哲也がイケメンでモテるからだっつーの。


「まだ悩んでるよっ!」


大声でそう叫ぶと教室中の注目を浴びる。

浴びた所で今はどーでもいい。

つーか、どーすることもできずにいる。


「ヤリたいって言えばヤラせてくれるんじゃないの?」

「ばっか、別にヤリてーわけじゃねぇわっ!!」

「またご冗談を。今更いい人ぶってもダメだって」


マジでそんな単純なもんじゃねぇんだよ、俺とユヅキさんの関係は。




「こんにちは!直人くんお邪魔します」

「あ、どうぞ!」

「あれー?今日ご両親は?」


ギク…。

俺は冷静を保ちながらユヅキさんから目を逸らした。


「じつは仕事で二人とも海外で。兄貴達もたぶん今夜は帰ってこなくて。あの、一緒に飯…食ってくれませんか?」


視線をユヅキさんに移すとキョトンとした顔で俺を見ていて。


「ありゃ2人きりか!私料理そーんな得意じゃないんだけど、いいかな?」


ユヅキさんの言葉に聞いた俺の方が固まっちゃいそうで。


「え、あの、いいんっすか?」

「寂しいんでしょ?1人だと。いいよ私一人暮らしだし別に!」

「あっじゃあ是非っ!」


ガッツポーズを隠して俺は会心の笑みをユヅキさんに届けた。

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