日曜日の午前10:00。 襟付きのへそ出しの服を着て、ショーパンに脚を通す。 同系色のニーソを履いて、鞄を持ったら準備万端。 今日は学校の先輩、亜沙美に出かけようと誘われたのだ。 友達と出かける、なんて久し振りで自分でも浮ついているのがわかる。 「…こんな感じで、良いのだろうか」 玄関の全身鏡で最後に確認をする。 ショート丈のブーツに足を突っ込んで、待ち合わせの駅前を目指した。 「!すまない、遅れた」 走って乱れた息を整えながら謝れば、亜沙美は時計を見せながらまだ待ち合わせ時間前だもん、と笑う。 「じゃぁ、行きましょう」 亜沙美は女の子らしい、可愛い服を着ている。 決して派手なわけではないが、落ち着いていて、胸元のリボンがお洒落。 自分には到底着ることの出来ない服だな、と少し羨ましくも思った。 お昼は亜沙美の行きつけの喫茶店へ案内された。 午前中、僕は亜沙美からデュエルのことやショーギのことを教えてもらった。 ショーギはまだよくわからない。 でも楽しそう、チェスにちょづぴり似ている気がした。 「櫟ちゃん、食べたいの決まりましたか?」 「…これか、これ」 迷っている二つを指差す。 亜沙美は二つを見比べて こっちのほうが美味しいと教えてくれた。 「食べ終わったら、洋服見に行ってもいいですか?」 「構わない」 僕は服を友達と見に行ったりはなかなかしない。 基本的に通販で済ませてしまうからだ。 最も、皆が着ているような可愛らしい服は、似合わない。 ショッピングモールの上の階へ上がる。 女の子らいし服からカジュアルな服まで様々に揃っているそこは、僕が通販で頼む店もあった。 本店はここなのか。 「え、」 後ろから手が伸びてきて、自分の肩に合わせて服が乗せられる。 襟元にレースがあしらってある、深い紺色のワンピース。 派手なわけではない、シンプルなお洒落。 「うん!やっぱり似合ますね、こういう服」 自慢そうに頷く亜沙美。 「もう少し自信持ってもいいと思いますよ?」 くすくすと笑いながら見透かされたように言われる。 やっぱり亜沙美には敵わないと思った。 あさいちのデート (神代君もきっと似合うって言ってくれるはずです) (なっ、なんで!!) |