▼マスク越しの君は(13)

※夢主=プレイヤ―です

「13、カッコイイじゃん」
「そりゃどーも」
そう言う13の着ているコスチュームは
最近手に入れたばかりのペストコスチュームだ。
普段の黒フードの彼と違う姿に名前は少しだけドキドキとしつつ、それを悟られないように「ペストって、黒死病の別名だっけ?」と13に聞く。
「そうらしいぜ、俺も詳しくは知らねーけどよ」
「ふーん」
名前はそれを聞くと今度黒死病について調べてみるかなと思った。
単なる好奇心だが、知らないのも何だか落ち着かないからだ。
そんな事を考えてると、ふと13の付けているマスクに目がいく。
そのマスクは13の顔をすべて隠しているため、今13がどんな顔をしているのかが分からない。
それが何だか落ち着かなくて、でも珍しくて名前はじっと13の顔を見ていた。
「なー、相棒」
「んー?」
「そんなに見られると恥ずいんだけど」
そんな13の言葉に名前は暫くポカンとしていたが、自分が13の事を見ていた事を気づかれたと思うとすぐに顔を赤くして「みっ、見てないよ!!」と言う。
そして慌てて顔を逸らすと「(私のバカ…!)」と心の中で言う。
これじゃあまるで見ましたと言ってるようなものではないか!
もっと他にいい誤魔化し方があった筈なのに……そう思っているとだ
「あーいぼ」と突然、13が名前に抱きつく。
「なっ、なに」
「いやぁ、俺も相棒みたいに近くで見ようと思ってさー」
そう言う13の表情はマスクで隠れて分からないが絶対に楽しそうにしてると名前は思った。
先程から心臓の音がうるさくてたまらない。
もしこの音が聞こえたら、死ぬしかないなんて思いながら名前はただ13との距離にドキドキするしかできなかった。

……実を言えば13のマスクで隠れてる表情は名前と同じぐらい真っ赤になってるのだが、それを知られることはなかったのであった。



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