▼幸せを約束しよう(クマ)

「名前チャン、あれは何クマか?」
そう言ってクマが指差したのはウェディングドレスが並ぶショーウインドウ。
名前はそれを見ると「あれは、ウェディングドレスって言うんだよ」と教える。
「ウェディングドレス…?」
「結婚式で女の人が着るドレスの事だよ」
そう説明するとクマは珍しそうにしながらショーウインドウを見つめる。
「結婚式クマか………」
そう呟くクマの姿に名前は
「(いつかクマも誰かと結婚するのかなぁ)」とそんな事を考えてしまう。
そして、脳内で浮かぶのは燕尾服に身を包んだクマが自分ではない花嫁の手を引く姿。
それを考えると胸がズキッと痛くなって
名前はそれを振り払うようにして首を振る。
「(こんな事考えてたら辛いの分かってるでしょ……バカ)」
自分に言うように心の中で呟いていると 突然クマが「名前チャンもウェディングドレス着たいクマか?」と聞いてきた。
突然の事に面食らった名前だが少し考えると「……うっ、うん」と答える。
するとクマはパァッと笑うと
「じゃあ!クマが名前チャンにウェディングドレス着せるクマ!」と言った。
名前はと言うとクマの言葉に少しの間思考が停止する…。そして、ハッと
「えっ……!?」と呟いた。
「ちょっ、クマ……それどういう意味かわかってる!?」
「えっ?結婚式挙げる事でしょ?」
「そっ、そうだけど……!」
慌てる名前にクマは「名前チャンは、クマと結婚式挙げるの嫌クマか……?」と悲しげな顔をして呟く。
名前はその言葉に「そんな事ない!」と言う。
「嫌じゃないよ‥‥むしろ、嬉しいくらいだよ‥‥でも、私でいいのかなって、思って」
「もちろんクマ!!むしろクマは名前チャンじゃないと嫌クマ!」
そう言ってクマは名前の手を握ると
「クマの花嫁サンは名前チャン以外、見つけられないから!」と笑う。
名前はと言うと、クマの言葉に
その笑顔に顔を赤くさせる。
それと同時に心臓がうるさく鳴っているのを聞きながら「…じゃあ、約束、しよう」と呟く。
クマはその言葉にコクコクと頷くと
自分の小指を名前の小指と絡めて。
「いつになるかはわからないけど」
「二人の結婚式を絶対挙げるクマ!!」と
言ったあとに指切りを交わした。
その後、二人はお互いに顔を見合わせるとただ笑っていた。



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