▼甘やかしてくれる人(マリア=S=レオンブルク)★

「はぁ……」
ため息をつきながらマリアは歩く。
今日はどうも、調子の出ない日らしく
先程のバトルでもあまり、いい活躍ができなかったのだ。
味方がいなかったら負けていたはず。
そう考えると気が滅入るばかりで。
こんな日はさっさと休むに限る。
そう思いながらマリアは共同ルームに向かった。

共同ルームに着くと、そこには先客がいた。
ソファーに座っている人物、それは名前だった。
「あら、名前」
「んっ?マリアか」
マリアの声に名前は顔を向ける。
どうやら他の皆はいないらしく、今は名前とマリアしかいないようだ。
「他の皆は?」
「バトルに行った奴らと、アタリの部屋でゲームしてる奴らで別れてるんだ」
「そう……」
普段は賑やか共同ルームも人が少ないとこんなに静かなのかと少し驚く。
まぁ、静かなのもいいかと思いながらマリアは名前の隣に座る。
そして、そのまま名前の肩にもたれかかった。
「……どーした?」
「別に、なんでもないわ」
何でもないと、言いつつも本当は話したかった。
今日、自分が上手くバトルで戦えなかったこと、調子が出なくて苦しいこと。
とはいうものの、そんな事を話したくないという自分もいる訳で。
「(……本当、やな日)」
そんな自分に嫌気が差していると
ふと、頭を撫でられる感覚がする。
見れば、そこには優しく微笑みながら
マリアの頭を撫でる名前がいて。
「何があったかは聞かないけどさ、俺の前では甘えていいんだからな」
そう言って名前はマリアの頭を撫で続ける。
マリアはそんな名前の言葉を嬉しいと思いながら
「じゃあ、私が満足するまで頭を撫でてよ」と言う。
名前はその言葉にニッと笑うと
「あぁ、もちろんだよ」と言った。
そうして頭を撫でる手が、優しく微笑む笑顔が、そしてなによりその声がマリアの心を安心させる。
「(……本当に、名前には敵わないわ)」
そんな事を思いながらマリアは名前の手の温もりを感じていた。




back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -