▼可愛い生徒(家入硝子)★

「先生、トリックオアトリート!」
「……面白い挨拶だな、苗字」
ニコニコとそう言う名前を見て家入は苦笑した。
それを聞いた名前は「いやいや先生!ハロウィンですよ!31日ですよ!」と笑って言う。
「…そうか、もう31日か」
「俺以外の2年と1年はお菓子貰いに行ってますし、五条先生も珍しくお菓子用意してるみたいです」
「あぁ、だから昨日大量に買い込んでたのか」
名前の言葉に納得したのかふむふむと頷く家入。
するとそんな家入に名前は手を差し出すと先程言ったように「トリックオアトリート!」と言う。
それを見て家入は「少し待ってろ」と言うとガサガサと棚の中を探し始める。
しばらくすると目的のものを見つけたのかそれを手に取ると「これでいいか?」と言って名前にクッキーを差し出した。
「おぉっ…!ありがとうございます!」
目を輝かせて喜ぶ名前に「喜びすぎだろ…。」と苦笑交じりに呟く。
とは言ってもこうして喜んでもらえるのは嬉しいことで。
…だがそんな中で少しだけ悪戯心が湧いてしまうもので。
「苗字」
「何ですか?」
「トリックオアトリート」
家入の言葉に名前はピタッと固まってしまう。
それを見た家入は「お菓子持っていないのか?」と首を傾げる。
いつもなら飴の入ってるポーチ持ってるだろ?と付け足すと
「いや…部屋に忘れちゃって……。」
「なら、イタズラか…?」
"イタズラ"と言う言葉を聞いた瞬間、名前は顔を真っ赤にすると慌てて
「すすす、すぐポーチ持って来るんで!!だから、イタズラは勘弁してください!!」と言って医務室を飛び出す。
そんな名前の背中をポカンとした顔で見送る家入だったが、数秒後クスクスと笑うと「純粋な奴」と小さく呟いたのだった。




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