(side:幹太)

 突然だが、俺は今酷く動揺している。

「お前が安永幹太か」

 とんでもない男前がリムジンに乗って家にやってきた。

「確かに俺は安永幹太だけど…アンタ誰だ?」
「俺は久賀直人。淳也の通う学園の生徒会長をしている。とりあえず、家に入れろ」

 は? 生徒会長?
 なんで淳也んとこの生徒会長が俺の家に。つーか生徒会長すげえ偉そうなんだけど。なんで会って間もない人間を入れないといけないんだ。
 しかし数分後、奴は俺の部屋にいた。無言の圧力に負けたのだ。それに、淳也とどんな関係なのかも気になるし。

「……それで、何の用なんだ」

 早速本題に入ろうとしたら、生徒会長がある一点を見つめていた。それが何か分かった瞬間、げっと顔を引き攣らせる。
 べり、と剥がしたそれを俺に突きつける生徒会長。

「こりゃあ、なんだ?」
「た、ただの写真だろ」
「全部淳也が写ってんな」

 その視線の鋭さに、まさかと思う。こいつも、淳也のことが好きなのかと。

15/04/29