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「どうだ、効果があっただろう?」
誇らしげに言う平島に、俺は首を傾げる。
「どうかな…まあ、少し反応があったくらいかな。平島は?」
「まあまあだ」
「それは良かった」
俺は彼女の姿を思い浮かべる。……特に変化はなさそうだったが、幼馴染の平島が言うんだ。何か違うんだろう。
「しかしどうするんだ? このままだらだら続けていくつもりなのか」
「ああ、そうだなあ。さて、どうするか」
平島は顎に手を当てた。何も考えていなかったのか。呆れた。
「そうだ、デートへ行くのはどうだろう。ダブルデートってやつだ」
「だ、ダブルデート?」
悪魔と彼女と俺と平島で? 正直微妙だ。平島は俺の様子にまったく気づく様子がなく、ぴっと人差し指を俺に向けた。
「指を差すな」
「実は、今週の日曜日に、あの子たちはデートに行くん――あいてて! 指! 指痛いよ! 折れちゃうって」
涙目で痛い痛いと訴えてくるのでぱっと手を放すと、平島は人差し指を擦った。
「まったく、酷いなあ」
「それで? 悪魔たちがどうしたって」
「ああ、うん。デートに行くんだ。遊園地だよ」
「遊園地…」
俺は口を引き攣らせた。遊園地に良い思い出がない。乗りたいと思うアトラクションもない。あいつらの仲良さげな姿を見せつけられるだけなのに、行くなんて――。
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