▼ 24
近くに本屋があったので、俺たちはその本屋に入りった。
「お前って、本とか読むんだな」
加治は小説の棚を眺める俺をちらりと見ると、意外そうに呟いた。
「……まあ、少しは」
本を読むのは好きだ。
「学校では読んでないよな」
加治の言葉に少し驚く。本を読んでいないこと、知っていたのか。加治は確かに俺に絡んでくるが、そんなに絡んでは来ないし、こっを見ている様子もなかったのに。
ちなみに休み時間俺が何をしているかと言うと、大体寝ている。
「何読むんだ?」
――何でそんなこと、知りたいんだ? 俺は加治の意図が分からず、無言で見つめ返す。
「……黙るなよ」
加治はむすりと顔を顰める。
「今は、……推理ものとか」
機嫌を直そう――というわけではないが、俺は加治の質問に答える。すると、寄っていた眉は元に戻る。
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