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「なっ……」
「お前ホラー苦手なんだろ」
「なんで知って……」
加治は一瞬黙る。しかしすぐに鼻で笑って、俺の質問には答えなかった。
「さ、観よーぜ」
「や、やめ……!」
俺は首を振って嫌がる俺を引きずり、スクリーンに押し込められてしまった。もう上映時間が近いのか、コマーシャルが流れている。俺は冷や汗をだらだらとかきながら加治の隣に座った。ここで無理矢理加治から離れたら周りの迷惑になるし、そもそもがっちりと掴まれているため逃げることができなさそうだ。
よし、目を瞑っておこう。と思ったら、その考えを見透かされたのか、加治がぼそりと口にした。
「ちゃんと観とけよ」
俺は聞こえなかったふりをした。
映画が終わった頃には、げっそりとしていた。目を瞑っていてもめちゃくちゃ怖かったんですけど……!
ちなみに隣でびくびくしていた俺を、加治はずっと笑っていたんだろう。時々笑い声が聞こえた。
「いやー面白かったな」
加治は大満足な様子で、俺の肩を叩く。
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