グッズに並ぶべし!>跡部、忍足、芥川でお送りします





「あっちぃね〜、今日」

「だな〜。最近涼しかったのにさ」

「じゃあ丸井くん、また後でね!」

「…もう時間か」

「跡部たち待ってるから行かなきゃ。丸井くんも、立海の皆のとこ集合でしょ?」

「うん」

「じゃ、また後でね〜!」

「おう、じゃあなー!」







「あとべ〜」

「ジロー。やっときたか」

「あれ?岳人たちは?」

「アイツらはすでに会場入りしている」

「えぇ〜?跡部、一緒に行かなかったの?」

「ばーか。お前、チケット持ってねぇだろ」

「…あれ?そだっけ」

「無くすから持っててくれって言ってただろ。ほら」

「あ、そだった。跡部、ゴミンネ〜」

「じゃあ、入るぞ」

「え、グッズ買わないの?」

「グッズ?」

「ほら、あそこ。すんごい並んでるでしょ」

「ああ、そういや出てるんだったな」

「オレ、どんなの売ってるか見たい!」

「ふっ…なら、全部揃えてー」

「ちゃんと並ばないとダメなんだC」

「…並ぶ?」

「そーだよ。みんなちゃんと並んでるでしょ?」

「……並んでまで欲しいのか」

「欲しいよ〜!オレ、氷帝のグッズ揃えたい!」

「だが、今日はかなり暑いぞ」

「大丈夫ー!」

「お前がそう言うなら……だが、俺も時間が」

「跡部は準備があるもんね。オレ、並んでくるから先行ってて!」

「ジロー一人で残すわけには」

「だいじょーぶだって。チケットももらったし」

「……だが」

「へーきへーき」





「お二人さん、こんなとこで何やっとん?」



「「忍足!」」





「…てめぇ、遅刻だな」

「いやいや、ギリギリセーフやろ」

「皆もう中入ってるC」

「ジローと跡部は何やっててん?」

「跡部はオレのこと待っててくれたんだよ」

「あ、チケットか」

「そうそう。んで、オレはこれからグッズ並ぶ!!」

「ホンマに?」

「ほんまほんま」

「ごっつ並んどるやん」

「へーきへーき」

「…いいタイミングでちょうどいいヤツが来たな」

「あとべ?」




「おら忍足、とっととグッズに並べ!」

「そんなん跡部財閥の力で全部買い占めたらええやん」

「やぼなこと言ってんじゃねぇ。グッズに並ぶのはライブの醍醐味だろ」

「…誰や、景ちゃんにンなこと教えたんは」

「テニフェス2013セット氷帝とマフラータオル、忘れんじゃねえぞ」

「…自分で並んだらええやん」

「俺様はそんな時間ねぇ。おら、ジロー連れてとっとと行ってこい!」

「ええ〜?オレ、別に忍足いなくても大丈夫だC」

「ダメだ。お前一人で並ばせるなんて出来るワケねーだろが」

「なんでだよ〜」

「いいから!ちゃんと忍足についていけ」

「ぶー」

「…なんやようわからんけど、コレに並べばええんやな?」

「ああ。ちゃんとジローが買いたいものを揃えるように」

「その度を越した過保護も考えモンやけど、なんやうまいこと言葉が出てこんな……ま、ええわ」

「じゃ、行ってくるね〜」

「ああ、気をつけてな」

「こんな何百人も人でごったがえしてる中、いったい何に気をつけるのか真剣に問いただしたいところやけど、…ま、ええわ」

「忍足〜ブツブツ言ってんじゃねーよ。早く並ぶんだC」

「お前の俺に対するその乱暴さと冷たさも、なんや一回話し合わんといけない気がするんけどな」

「あーん?」

「跡部の真似は止めぇって口をすーっぱくして言うとるのに…」




『チケットお持ちですか?』




「はいはい、持ってる〜」

「はい、これでええん?」




『今からだと開演に間に合わない可能性もありますがー』




「えぇ〜?」

「あー大丈夫。間に合うから心配せんでええ」



「結構厳しいんだね。グッズ買うのに、チケット見せないと並べないなんて」

「昼と夜公演で、午前中で全部売り切れたらアカンやろ。ちゃんと量をわけてんのちゃうん」

「あ〜人数整理みたいなモン?」

「やな」

「ねー、何買う?何がいいかな」

「なんとかセットの氷帝と、マフラー買えばええんやろ?」

「うーんと、とりあえずマフラータオルの氷帝はゲットしないと。あとはー、パンフレット?」

「ペンライトはあるんか?」

「持ってない〜」

「ほな、このビームライト?それか、各校のペンライトか」

「各校のペンライトって、一回こっきりだよねぇ。だったらビームのほうがいいかなー」

「岳人が12色変えられるLEDのペンライト持ってたなぁ」

「!そうだ。確か15色のも持ってた。岳人に借りればいいかも。メールしてみよ〜っと」

「すでに中なんやろ?二つも持ってきてるかどうか」

「こういうときいっつも予備持ってきてるから、ぜってぇカバンに入れてるはず」

「跡部のペンライトも買うほうがええんかな」

「いらねーんじゃん?跡部、出る方だし」

「せやな。って、お前も出演者やん」

「オレ、今回でてねーもん」

「…またか」

「うえださん、中々こういうの参加難しいんだC」

「せやな。いつかは…」

「氷帝は揃わないもんねぇ」

「その分、跡部が頑張ってるけどな」

「そーだね。跡部、すっげぇもん」

「あ、氷帝シュシュってのもあんで」

「そんなの買ってどーすんだよ」

「ジローの髪、これでくくって跡部の応援でもしてやったらええやん」

「これ、女の子がつけるヤツだC!!」

「似合うやろ」

「ばーか、忍足、バーカ!」

「関西人にバカ言うたらアカン!」

「アーホ、忍足、アーホ!!」

「くっ…相変わらずの口の悪さ…なんで俺にだけこんな悪態つくん?」

「けっ!」

「可愛くないわ〜」

「忍足、キメェ」

「変な言葉使わんと、ちゃんと『気持ちわるい』って言えや」

「忍足、気持ちわるい」

「…二度も言わんといて」

「ほんと、アホだし」

「ジロー!いい加減にせんと、いくら二枚目で優しくてかっこいい俺かて怒るで?!」




「…何か言った?いま」

「ほんの軽い冗談やん。いやや、睨まんとって」



「ばーか」

「はぁ〜……ガラスハートが粉々や」

「……」

「ちょっとは優しくしてくれてもええやん」

「……」

「丸井にはデレデレ、跡部や岳人、宍戸には甘えて、他校の不二にも懐いて……こんなにかいがいしく世話しとんのに、俺に厳しすぎるやろ」

「……」

「樺地も日吉も鳳も、下級生にも惜しみなくふりまくニコニコ笑顔なのに、何で俺にだけ般若の睨みを利かせてんのか、ホンマわからんわ〜」

「……」

「心の広い侑士くんかて、ジローの仕打ちにはもう耐えかねて、ズタボロ寸前やで」






「侑ちゃん……ごめんね?」



「ー!!」




「オレ、侑ちゃんのこと、本当は大好きだから……つい、意地はっちゃって」



(うそやん!
ジローが頬染めて、もじもじして上目遣いで俺んこと見るなんて)



「ほんとは……いっつも、ありがとうって思ってるよ?」

「…っ」

「だから、そんなこと言わないで…?」

「ジロー!!」



(アカン。
ケンヤのこと馬鹿にしとったけど、やっぱこいつ可愛い。
中身は小悪魔とわかってる、、、わかってるけど、あかーん!)




バキッ





「だぁれが抱きしめていいって言った」

「……ほんの、お茶目な冗談やん」

「暑苦しい。はなれて」

「本当は大好き言うたやん…」

「それこそほんのお茶目な冗談でしょ」

「……もうちょっとそのテーマでいって欲しかった。。切り替え早すぎやねん」

「アホなことばっか言ってんなよ?あんま酷いと、跡部にチクるC!」

「『チクるC!』なんて可愛らしく言うとるけど、中々にエグいこと言ってんで?」

「なにが」

「跡部になんて、言ったらあかん」

「なんで」

「自分、わかっとるやん」

「しらね〜し〜」

「……どんどん生意気になってきたなぁ」

「なんか言った?」

「何でもあれへん」




(ケンヤ…お前がどんなに恋焦がれても、コイツの中身は情が無い八方美人で猫っかぶりの小悪魔やで?
早く目ぇ覚まさんと、痛い目見るに決まってんのに…)




「あ、そろそろグッズ売り場だ」

「長かったなぁ。暑いし」

「(無視)…ってか、結構売切れてる」

「ほんまやな。マフラータオル、無いやん」

「立海も無いね〜」





『マフラータオル、四天宝寺売り切れました〜!!』





「「……」」




「あと、残ってるのは〜」

「青学と、U17の2種類だけ、か」

「庭球祭セットも、U17以外はぜんぶ売り切れてるC」

「すっごいなぁ」

「ピンで買うしかないね〜。パンフレットとー…あと、何買えばいーんだろ」

「氷帝のシュシュ、まだあるで」

「…だから、シュシュ買ってどーすんだよ」

「ジローの髪にくくってー」

「だぁ〜同じセリフはいらねぇし!」

「…とりあえず、適当に買うてけばええやろ」

「まかせた」

「は?」

「オレ、喉かわいたから販売機いってくる〜」

「どこまでも自由なヤツやな」

「時計台のところいるから、買ったらきて」

「ちゃんと時計台の下にいて、動かんといてな。ベンチで昼寝も禁止」

「こんな暑いのに、ベンチでなんか寝れないし〜」



なんとかグッズ購入し、会場入りする忍足・芥川を待っていたのは…



「なに?!マフラータオル氷帝、売り切れだと?」

「立海も売り切れだったよ〜っ」

「…おい忍足。そのマフラータオルは何だ」

「買うてこいいうたやん、ほら」

「青学のじゃねぇか!!」

「しゃあないやん。それかU17のしかもう無かってん」

「ポーチある!ポーチは氷帝まだあったC!」

「でかしたジロー」

「えへへ。もっと褒めていいよ〜」

「買うたの、俺やん」

「……おい、これ」

「青いポーチ、氷帝でしょ〜♪」

「よぉくみてみろ。青学じゃねぇか!!」

「………あれぇ?」

「こんのスットコドッコイどもが!!」

「……忍足」

「ジ、ジロー、ちょー待ち。ちゃんと氷帝の、って言ったで!!」

「でも、『青学』って書いてあるじゃん」

「…すまん。っていうかジロー、謝るから…頼むから、睨まんといて…」




「……こんのメガネ、いったい何を見てたんだろうかねぇ。やっぱシバくC」




「ジロー」

「岳人!」

「しょーがねぇよ。グッズ売り場すんごいことになってたし。売り切れたのもしゃーねぇ」

「でも、忍足がっ!」

「…侑士のことは許してやって。こいつも精一杯頑張ったんだし」

「(岳人っ!!やっぱ俺のパートナーは、こいつ以外ありえん!!)」

「な?ペンライト、俺の貸してやるから」

「…12色のヤツ?」

「15色の貸してやる」

「まじまじ、いいの〜?」

「ああ。やっぱライブはペンライトがねーとな!」

「うん!!」

「じゃ、お前の席案内してやる。いくぞ」

「うん!!宍戸やみんなは〜?」

「もう舞台裏。準備してる」

「うわぁ〜オレもう、わっくわく〜!!」

「ほら、あそこ。舞台袖に樺地いるだろ」

「あ、ほんとだ。樺ちゃ〜んっ!!!」






「あ、行ってもうた」

「侑士」

「岳人……感謝してもしきれんわ」

「貸し一つな」

「……なんや不可抗力っちゅーか、単なるジローの言いがかりな気がするけど、まぁええわ」

「それ、ジローに言っとこうか」

「おまっ、ダブルスパートナーになんていう仕打ち」

「俺のパートナー、日吉だから」

「酷っ!!岳人のパートナーは俺やん!!」

「でも、全国で日吉だったし」

「あんなの太郎のほんのお茶目な采配やろ。氷帝ダブルスは俺とお前でー」

「ダブルス1は宍戸・鳳ペアだしなー」

「……」

「俺らはダブルスっつっても、2番手でー」

「いいや岳人!」

「?」

「忍足・向日のダブルスが、氷帝のペアの一番手!」

「…侑士」

「練習あるのみ!連休あけたら、部活でー」

「俺ら、もう引退だろ」

「……氷帝はエスカレーター式で高等部やろ」

「高等部でも、俺らペア組むの?」

「組まんの?!」

「俺、シングルスも頑張ろうかなーって思ってんだけ―」

「あかん!」

「は?」

「俺とお前はパートナーやん!」

「はぁ」

「人生のパートナーとしてやなぁ」

「…は?」




「不動の忍岳が…全国のおかげで日岳が増えて、俺も何の因果か跡忍や忍跡って、何で俺が跡部を攻めたり受けたりせなあかんのーって鳥肌モンやったけど、やっぱり俺は攻めやん?」



「……」

「俺かて、ジローや岳人とか、可愛いヤツのほうがええっちゅーねん」

「……」

「忍ジロも捨てがたかったけど、なんやジローがえっらい冷たくて、あかんわ……やっぱ俺にはお前しかおらんねん」

「……」

「岳人、お前だけが、俺の最高のパートナー…」





ドカッ、バキッ





「向日さん」

「…なんだ、日吉か」

「芥川さんが呼んでいます」

「パシリかよ」

「何とでも」

「てういか、侑士…」

「『アホなこと言ってたら、遠慮なくノしてきていい』と芥川さんに言われましたので」

「……」

「さ、行きますよ」

「……うん」



(侑士……バカ…)






>>目次

★☆★☆★☆★☆★☆
連れの友人が急に仕事の電話が入り、少し遠くで職場に電話しなくてはーだったので、その間にグッズに並びました。
が、ワテクシがチケット持っていたので、友人はグッズ列に入れず。。。まぁ、何も買わない友人なので問題は無いのですが。
すんごく売り切れてました!びっくりだC!!
マフラータオルは氷帝と立海が売り切れで、グッズ売り場たどり着く頃には四天も売り切れ。
シュシュも、ワテクシは特にいっか〜と思ってましたけど、グッズ買ってる途中に氷帝が売り切れました。
昼の部・シュシュ最初のソールドアウトは氷帝。
すっごいですね〜!!テニフェスセットも、U17セット以外は全部売り切れ!
パンフレットとマフラータオル『青学』を購入。とりあえず記念ということで。氷帝も立海も無いし〜。
まぁ、最初にテニス好きになったときはリョマさん&青学のファンだったので、という初心に戻ることにしました。
ただ。
なんとなく氷帝のものを買っておこー記念に〜というノリで買ったポーチが。。。
ちゃんと氷帝と言ったのに、会場に入って、ちゃんとみたら青学のでした(驚)
よくみなかったのが悪いか……青やったし、急いでたし。…ま、ええか。

は!
初心に戻れ、ということか?!
青学!!
けど、ワテクシにはジロちゃん以外を書くなんてっ…!!

不二ジロ、菊ジロ、越前+ジロ…… うん、いけますね…! >え。

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