※アニメ2期第2話妄想


「片倉くんには手厚い処遇を約束するよ。だから君は安心して、この摺上原に散ってくれたまえ」



豊臣の軍師、竹中半兵衛の策により、片倉小十郎が敵の手に落ちた。

竹中が策に使った農民を殺さなかったのは、単に伝令に使っただけだろう。つまりは宣戦布告である。
津軽、足名、南部からの急襲を受け、手負いの伊達軍の前に姿を現したのは、他でもない半兵衛であった。

摺上原の真ん中で、両名が睨み合う。

優雅とも言うべき動作で、半兵衛が腕を振るった。
夕日を反射し、鈍色に輝く関節剣が政宗を襲う。



「筆頭ーっ!」



三日月の前立てを突き、政宗の背後に飛ぶ半兵衛。
部下たちの叫びで政宗が気付いた時には、その刀は既に目前に迫っていた。

確実に間合いに入った、その太刀筋。



「なっ……!」

「そうは、させませんよ」

「月華!」



半兵衛の凶刃が政宗を襲う直前、二人の間に入り込んだのは月華だった。
縦に構えた愛刀で攻撃を弾き返し、ほんの少し口角を上げる。



「小十郎様がいない今、政宗様の背後はガラ空きだと、そう思われました?」

「……これはこれは、伊達の阿修羅姫。お初にお目にかかるね」



関節剣が弧を描きながら彼の手元に戻っていく。
その様を見て、月華も構えた刀を下げた。
二人の視線が交錯する。

先に口を開いたのは、月華の方だった。



「小十郎様を返していただきます」

「おやおや、随分と勇敢なお姫様だ」

「勇敢にならざるを得ないでしょう。現状で、囚われのプリンセスは小十郎様です」



ふと感じた違和感に、半兵衛は口を閉じた。
何だ、と視線だけで周囲を見渡すも、それらには何の変化も見られない。

改めて対立する月華を見やる。
ちょうど、政宗が話しかけているところだった。



「普通は逆なんだがなぁ?」

「仕方がありません。監督竹中殿のキャスティングミスです」

「Ha、そりゃそうだ。まさかやり直すわけにもいかねぇしな」

「プリンセスを助けに行くのはナイトの仕事。ああ、白いお馬さんでも用意しましょうか」



ふ、と思い当たった。
言葉だ。



「ところで、月華。発音が良くなっちまってるぜ」

「人間、腹が立っている時は小芝居なんて忘れてしまうものですよ?」



チャキ、と音が鳴り、月華の刀が構えられた。
反射的に半兵衛も己の武器を構える。

膨れ上がった闘志が、月華の瞳を爛々と輝かせた。



「Are you ready?」



紡がれた異国語。
阿修羅の唇が、笑った。



(続かない。あと、ヒロイン実はトリップ主設定>超今更)



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