*奇術師と女の子の日
「うぁー……」
「キミがそうしてると昔を思い出すね」
「昔? ……あぁ、ヒソカがまだ私のとこ来たばっかのころ?」
「そうそう。どんな風に攻撃したってびくともしないのに、唸りながらぐったりしててさ」
「奇襲に来たくせに狼狽えてたわよね」
「あの頃はぼくも可愛かったなぁ」
「今ならラッキーと思って仕掛けてくるでしょ」
「どうかな。でも、あの時は本当にびっくりしたんだよ。急にお金握らされてさ」
「あー、『バフ○リン買ってきて』?あのときのヒソカ、ちょーびっくりしてたよね」
「『どんな毒も効かないくせに市販薬効くの……?!』ってね」
「それで素直に買ってきてくれた辺り、あんたイイ子よねぇ」
「人間、戸惑いすぎると脳が麻痺するんだよ。ハイ、バフ○リン。水こっちに置くけど、寝ながら飲んだらこぼすからちゃんと起きあがるんだよ」
「お母さんか」
「お母さんはそっちだろ?」
「気の利く息子で助かるわ……」
「ところでお父さんはいつ帰ってくるのかな?」
「待て誰がお父さんだ」
「やだなぁわかってるくせに」
もちろんシューイチさんです。