ちょっとー、これどーゆーことー?

ハンター世界に降り立って早々、「インタビューさせてください!」とか何とか、変な輩に絡まれましてね。
まぁ軽く無視してたんだけど、厄介なことに念能力者だったみたいで。

気づいたら、何もない部屋の中に閉じ込められていました。



質問に答えないと出られない部屋


「なんなの……」
「まぁまぁ、質問に答えたら出してくれるそうだし、付き合ってあげようよ」
「ヒソカあんた、暇なの?」
「まぁね」


01:お二人のお名前を教えてください。
「セレナ」
「ヒソカだよ」
「思ってたんだけどさ、ヒソカって名字ないの?」
「セレナの名字が僕の名字さ」
「えぇー……?」

02:年齢差はどのくらいですか?
「ヒソカっていくつになったの?」
「さぁ? はっきりとは分からないな」
「赤井さんよりは下……いや実は上……? まー、親子くらいの差、でいいか」
「ボク、セレナの年も知らないんだけど」
「親子くらいの差、で!!」

03:お互いのことは、どのように呼びあっていますか?
「ヒソカ」
「セレナ。昔は先生とか、師匠とか呼んでた時もあったかな」
「あんたの場合、完全に面白がってるだけでしょ。ちっとも敬ってないくせにさ」
「そんなことないよ、母さん」
「ほら、そーいうのだよ!」

04:上下関係は厳格ですか?それとも、わりとゆるいですか?
「ない。ゆるゆる」
「そーだねぇ。特に厳しかった記憶はないかな」

05:お弟子さんに質問します。弟子入りするきっかけは何ですか?
「若気の至りってやつで、喧嘩をふっかけちゃったんだよね」
「喧嘩? 完全に通り魔の犯行だったでしょーが」
「かるーくやっちゃうつもりが、気付いたらボコボコにされててねぇ。涼しい顔で溜め息吐いてるセレナに、ほんとゾクゾクしたなぁ」
「あれ、なんか寒気が……」

06:お師匠さんのことは、どのくらい尊敬していますか?
「尊敬とか皆無でしょ?」
「そんなことないよ。セレナのことは尊敬してる。なんてったって、ボクのお師匠様だからね」
「……あっそ」
「照れてる?」
「(無言で右ストレート)」

07:稽古(修行)の内容を、具体的に教えてください。
「実践形式ってやつかな。習うより慣れろって感じだったよね」
「あんたが四六時中襲いかかってくるから、ひたすら返り討ちにしてただけだよ……」
「あれもだめ、これもだめって、すごく勉強になったよ」
「何の勉強だよ」

08:お弟子さんからみて、お師匠さんの一番怖いところはどんなところですか?
「未知数なところ、かな?」
「どういうこと」
「セレナは底が見えないんだよ。昔からね。何があっても、かるーく乗り越えちゃってさ」
「そんなこと、ないと思うけど……」
「あるんだよ。だから、そこが怖いかなぁ」

09:「この方が師匠でよかった」と思った瞬間はありますか?
「全力で遊んでくれる時とか、嬉しいね。どれだけ本気でいっても壊れないし、壊れる気配もしないし、むしろこっちが壊されそうで興奮するよ」
「……うっとりするな、怖い」

10:お師匠さんに質問します。どうして弟子をとろうと思ったのですか?
「そもそもとったつもりはなかった!」
「押し掛け弟子ってやつだったかもね」
「っていうか弟子だったの? 毎日毎日、四六時中、命を狙ってくるのは弟子なの?」

11:お弟子さんにみる良いところと、まだまだ未熟だと思うところを教えてください。
「良いところ……家事は器用にこなすわよね」
「ありがとう」
「なんだかんだ気が利くし、勘がいいのかな。発想、っていうか、センスもいいよね」
「そんなに褒められると照れるなぁ」
「でもそれに頼りすぎて、見誤ることもある。遊びすぎる癖もあるしね。そういうとこ直さないと、いつか痛い目見るよ」
「うーん、肝に命じとく」
「……なんか、思いのほか真面目に答えてしまった……」

12:稽古(修行)を通して、これだけは伝えたいということはありますか?
「稽古つけてるつもりもなかったしなー」
「礼儀とかは厳しかったかなぁ。相手に敬意を払う、みたいなトコ」
「あんたは相手を蔑ろにしすぎなのよ」
「ボクなりに敬意を払ってるよ?」
「(あれでか……)」

13:お弟子さんはかわいいですか?
「可愛いよね?」
「なんで自信有りなんだよ……まぁ、息子みたいなもんだし、可愛いとこもある……ある、か……な?」
「流石のボクも傷つくよ?」
「あーはいはい、可愛い可愛い」
「♪(嬉しそう)」
「(そういうとこはちょっと可愛いよね……)」

14:思いきり叱ったことはありますか?ある方は、その後どうなりましたか?ない方は、どうなると思いますか?
「なんか懐かれた」
「叱ってくれる大人なんて、周りにいなかったからね。セレナは本気でボクと向き合ってくれた。だから、この人についていきたいって思ったのさ」

15:以上になります。最後に、何か一言ずつコメントお願いします。
「終わったみたいね。っていうかあんた、そんな風に考えてたんだ」
「まぁ、ね。こんなこと、改めて言うものでもないだろう? セレナの考えも聞けたし、そう言う意味ではなかなか興味深い部屋だったね」



「あ、開いた」



答え終わると同時に、念は解除されたらしい。
ほんとにインタビューするだけの能力だな、これは。私とヒソカの話なんて、何に使うんだか……。

ヒソカと目が合って、互いに軽く苦笑い。
肩を並べて歩き出した私たちは、さて、師弟に見えますかね?



質問は ひよこ屋さんにお借りしました。



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