(まつり)
「じゃ、まず最初の歌っ、どれにしようかなー」

(ななと)
「早くしろよ……1時間しかないんだし」

──あー、それにしても、この企画って、どこまで掘り下げていいんだろ……

(まつり)
「そういえば、実は、このお話まで、夏々都は誰ともちゅーだけはしたことがなかったんだよ」

(ななと)
「!? あ、そう。へぇー」

いきなり何を言い出すんだ。というかなんでお前が知ってるんだ。落ち着け、下手に反応しないほうが……


(ヒビキ)
「……聞いてもいい話なのか?」

(ななと)
「どうなんだろ……こいつの話は基本的には嘘だから聞かなくていいよ。うん」

(まつり)
「震えながら息も絶え絶えに喘いで涙目でしがみついて来る夏々都がすごく色っぽく──」

(ヒビキ)
「!?」

(ななと)


「小学生の前で、どうしてそんな語りを始めようとするんだ……歌入れよう、歌。ぼくは何にも聞こえない。全然聞こえない」


(まつり)
「ちょっと、なんで無視するのさ」

(ななと)
「変態の妄想トークに付き合う余裕はないんだよ。うるさいな」

(まつり)
「冷たいなー。異例のシーンっていうか、疑惑のシーン順に説明してって指示が出たので、説明してんのに」

(ななと)
「わざわざカラオケ店で!?」
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