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記録的な猛暑日のこの日、一泊二日の部室合宿が行われた。その名の通り部室で寝るだけの行事である。まあその前に肝試しくらいはするけど。
学校の部室にクーラーなんてついてるはずもない。窓とドアを開け放って蚊取り線香と扇風機に頼るしかなく、それはもう暑い。増してレギュラー+マネージャーが部室で雑魚寝してれば更にだ。

(暑い…)

寝苦しさに目を開ける。いびきが聞こえる部室の中、額から汗が伝った。
妙に片腕が暑くて横を見ればそこには俺の腕をしっかりと抱きしめて眠る先輩がいた。

「!」

そういえばじゃんけんでマネージャーの隣を勝ち取ったことを忘れていた。俺はもともと体温が低いから涼を求めてのことなんだろうと思う。俺の腕にしがみつく先輩は心地良さそうな寝顔をしていた。

(うっわやば…かわええ)

初めて見る寝顔はそれはそれは可愛くて、もうどうしてやろうかと思う。
まあこんなみんながいるところで手を出せるはずもないから、腕を抱きしめられたまま堪えるしかないのだが。

「んん…」

身じろいだ先輩がぎゅっと俺の腕を抱きしめて柔らかい膨らみに触れる。あかん、それはあかん。離してほしい、でも離されたくない。
すりすりと頬を擦り寄せている先輩に手を伸ばしたくなる。

「ひか…る…」

「!?」

それは…反則やろ…
俺の名前を呼んで幸せそうににへらと笑った。普段財前呼びなのに、こんなん期待してまうやんか。

「…明日覚悟しといてくださいよ」

ボソッと言った言葉を夢の中にいる先輩が聞いてるはずもなく、幸せそうに寝息を立てていた。
ああ、熱帯夜はまだまだこれから。







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