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「蔵ー制服シワになるよ」

「んー…」

部活帰りに真っ直ぐうちへ来た蔵はさっきまでの部長の顔はどこへやら、私のベッドで死んだように伸びていた。
柔らかい髪のくしゃくしゃと混ぜると顔だけ起こしてベッドに座る私の腰に巻き付く。太ももに顔を埋めて疲れた…と呟いた。

「お疲れ様。」

「んー…」

蔵の髪の毛を猿が蚤取りするみたいにかきわけているとだんだんと声のトーンが落ちていく。これは寝るな、と思って頭をぺしぺしと叩いた。

「蔵寝ちゃダメー」

「ちょっとだけ…」

「もう!ダメだってば!」

ちょっと強めに言うと蔵はまた顔だけを上げて腰に回っている手に力を入れた。体重を片腕にかけられて予測していなかった私の体は流れるようにばったりとベッドの上に倒れ込む。

「一緒に寝たらええやん…」

顔を私のお腹に埋めて目をつぶり寝る体勢で蔵が言う。はぁ、と私は息を吐いてその頭を撫でた。

「もう…一時間だけだからね」

「ん…」

相槌もそこそこに、さてさて眠り王子は夢の中。










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