夢をみた。
シュウが生きてる夢。
いつも見る夢は僕の目の前で死んじゃうのに、ゆうべみた夢は生きてた。
その夢は特別でシュウの声がした。
それがとても嬉しくて、とても悲しかった。
久しぶりに聞いたシュウの声はやっぱり耳に心地良かった。
起きたくなかった。
シュウに会えなくなってしまう。
声が、聞けなくなってしまう。
起きた時の寂しさがいつもよりもずっと大きくて、
また泣きたくなってしまった。
シュウはうそつきだ。
トオルって人がサンドウィッチをサービスしてくれた。
コーヒーも良いけど、ちゃんと食べた方がいいですよって。
どうせたべても味なんてしないのに。
最近よくトオルと会う。
トオルはいつも笑顔。
シュウはいつもぶっきらぼうだから、
トオルから笑顔を少し分けてもらったほうがいいかも。
おにいさんあんまり笑わないねって子供達に言われた。
笑うの疲れちゃう。
いままでどうやって笑ってたっけ。
△▼△▼△▼△
あの夢を見てからずっと気分が沈んだままだ。ううん、あの夢を見る前からだってずっと沈んでる。
やっぱり、シュウの夢を見て悲しくなるから眠りたくない。でも眠らないとまた皆に怒られるし、心配させてしまう。
「お兄さん、赤井さんに会いたいの?」
アガサ博士の家で子供達の面倒を見ている最中に思わずため息を溢した僕にコナンくんがすかさず声を掛けてきた。
会いたい。けれどそんな事を子供に言ったってどうしようもない。
大人に言ってもどうにもならないのだから。
「うん……でも、もう、いない……」
「…そっか」
コナンくんは何かを考えていたようだけど、その答えを僕に告げる事はせず、アユミちゃんに呼ばれるがまま子供達に混ざって楽しそうにしている。
「…………」
会いたい。夢の中みたいにまた抱き締めてほしい。頭を撫でてほしい。
キスだってしてほしい。一緒に寝てほしい。
神様はいじわるだと、心底思う。
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