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- ナノ -


シュウに会いたい。
シュウの声が聞きたい。
シュウに触れたい。
シュウに触れられたい。
シュウと一緒に居たい。
シュウの所に行きたい。

一緒に居てくれるって約束したのに。
うそつき。
帰ってきてほしい。
ただいまって言ってほしい。
名前を呼んでほしい。


△▼△▼△▼△


シュウが死んだってジョディから聞かされてからずっと泣いていた。
シュウに会いたくて何度も死のうとした。その度に皆に止められたりして結局未だに死ねない。
そんなに泣いてると涙が枯れるって前に誰かに言われたけど、一向に枯れる気配は無い。いっそ枯れてくれた方が幾らかマシだ。

抱え込むからダメなのだと、ジョディに言われた。
日記でも付けたらどうかと一冊のノートを渡された。日記といっても、何をするでもなくただなんとなく生きてるから書くことなんて何もない。そう言ったら、内容なんて何でもいいのよと。書きたい事を書けばいいと。
だから、シュウへの想いを、メッセージを書く事にした。
書く度にシュウを思い出して涙が止まらなくなる。
ノートは涙がで濡れて少しページがふにゃふにゃになってしまったし、文字だっていくつか滲んでしまった。
これでは天国のシュウが読めないかもしれない。そう思ったらまた泣きたくなった。


シュウに会いたい。

もう叶わないその願いを何度口にしただろう。口にする度、ジョディもキャメルも困ったような顔をする。分かってる。言いたい事も、二人が思ってる事も、ちゃんと分かってる。それでも、会いたいものは会いたいのだから仕方ない。
ほんとは死んでなくて、今にも何も無かったかのように玄関の扉を開けて帰ってくるのではないかと思ってしまう。低くて心地良い声で名前を呼んでほしい。
シュウの言葉を最期に聞いたのはなんだったか。仕事前に一度帰ってきた時に、その日あった事を一生懸命話していたら「悪いが忙しいんだ。後でにしてくれないか」って言われてしまったのが最期かもしれない。
あの時はシュウのそんな態度が気に入らなくて、意地悪!って不貞腐れてしまって、仕事に行くシュウにいってらっしゃいを言えなかった。それきり、シュウは帰ってこない。
せめて、いってらっしゃいだけでも言っておけば良かった。後悔しても遅い。


「シュウ……会いたいよ……」

クローゼットに仕舞われているシュウのシャツを引っ張り出して、辛うじて残るシュウの香りを嗅いでまた涙が零れる。
こんな事したって、会いたい気持ちが募る一方だ。
それでも、シュウの匂いを忘れたくなくて、ベッドの上にはシュウの物が沢山散らばっている。これがあると、安心して眠れる。
ほんとは、眠ったら夢にシュウが出てくるから眠りたくないのだけれど、ジェイムズにせめてちゃんと寝てくれと言われてしまったから、仕方ない。

夢に出てきたシュウに喜んでも、起きたら誰も居ないなんて、あんまりだ。