い
「自分の皮膚や肉をはいでいって、骨格だけになったような感覚でいれば、楽になる」
独特なその美しい語り口。ガラス玉のように、神秘的なベールに包まれていた。
情熱的な闘志を隠した瞳、夢を掴むその手。
私が、ずっとずっと探していたものをあなたは持っていたの?すぐいなくなってしまった。霧に紛れて。
「ああ、不思議ね。喜ぶべきことを、悲しみが隠してしまう」
皆が望んでいた50cmの台に乗らないまま、あなたはあなた自身が望んでいた台に踏み出した。
大きな、決断。
たくさんの言葉とおもいをくれたのに、私は何もできない。
「…ふ、欲張りな私」
液晶越しだけで充分だったでしょ?でも、それももう意味はなくなってしまったわね。
あなたの世界をもっと知りたかったなんてわがまま。
「祝いなさい、祝いなさい。私はただの少女Cに過ぎない」
いや、少女Zくらいで充分だわ。美しく、旅立つあなたを愛していましょう。
「祝福に涙は付き物でしょう?」
いとしき哲学者よ
(私は所詮思想家である)
for t.m