悪魔の契約
初めましての人も、そうでもない人も、宜しくな。
オレは武巳って言うんだ。
ひょんな事から、死神に借りた鎌に気に入られたんだよ。
──☆──
オレは校舎の中に居る。
忘れ物をしたから、引き返してきたんだ。
薄暗い校舎は、何かが起きる。
その何かは、オレにも分からない。
「な、何か居るのか?」
そう呟いても、返事はない。
ただ、言えるのは夜の校舎は有り得ない出来事が起こる。
それは誰も知らない。
何かが起きるのか、知る者は皆…。
「異界に引き込まれた…」
オレは偶々、知ってしまっただけ。
だけど、死神に助けられた。
条件付きで、だけどな。
死神の仕事を手伝う℃魔セからだ。
「しかし、なんか怖いな…」
しかも、死神は突然目の前に来ては、オレに魂を狩らせる。
まあ、仕方ないからな。
オレが持っているし。
「あの死神、辛い仕事ばかり持ち込んでくるんだよな…」
オレは、昨日の仕事を思い出す。
だって、泣きたくなるくらいに可哀想だから=B
まあ、話を変えるぞ。
忘れ物したのは嘘だ。
実は、悪魔に用があるから。
「おい、悪魔!居るのは、分かってるぞ」
大きい声が、校舎に響き渡る。
「小僧、我に何の用だ」
「オレの呪いを解けよ」
「無理。対価なしに解かぬ」
悪魔はいけしゃあしゃあと、言う。
このドヤ顔、イライラする。
一辺、殺してやりたい。
「……お前の存在、消したい」
オレはボソッと呟く。
死神も同じらしい。
「消えたくない!」
悪魔は怒鳴る。
「……」
オレは黙る。
「何故に黙る!?」
「だって…ね…」
オレは何も言いたくないように、目を反らす。
だって、恨みがあるから。
「〜〜っ!!分かった。分かった…呪いを解くから」
「……本当か?」
「……ああ、本当だ」
オレは悪魔を脅して、呪いを解かした。
「……もう、自信がない。人間に負けるとは、思ってなかった」
悪魔は自信を無くし、俯いてしまった。
「……。オレと一緒に来るか?」
オレの言葉に、悪魔は顔を上げる。
「…えっ?」
「一緒に来るか、と言ったけど。どうだ?」
「うん!行く!」
「………」
オレは悪魔の言葉に、黙る。
──これが、後の悪魔の契約≠ニ呼ばれた都市伝説──
後書きと云う名の反省
第18作、完結しました。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
次回も、お楽しみにください。