山道での出来事


みんな、こんばんはなの。

ボクね、武巳兄ちゃんと遊園地に行ったの。

でね、理由ってのがねぇ〜恭一兄ちゃんが異界に行きたがっていたみたいだから、会わないようにするんだ〜。

山道って、暗いね。

─☆─☆─☆─

武巳兄ちゃんとね、手を繋いで山道を歩いているの。

それでね、疲れたの〜

「想二、疲れたのか?」

「うん〜」

「仕方ないな…ほら、背中に乗れよ」

武巳兄ちゃんは、腰を屈めて乗れるようにしてくれた。

ボクね、初めておんぶしてもらったの。

でね、ワクワクしちゃった。

なんだか、楽しくなったの。

「想二、今日は楽しかったな。また、遊びに行こうか」

「いいの!?行く行く!!」

ボクは武巳兄ちゃんとまた、遊びに行く約束をした。

暗い山道を、二人で通っていた。

何が出てきても、おかしくないほどに。

薄暗い山道を武巳は想二をおんぶして歩き続ける。

「しかし、暗い道だな」

武巳は月明かりを辿って、道を進む。

「武巳兄ちゃんは、恭一兄ちゃんをどう思っているの?」

「そうだな、憧れ≠ノ近いかな」

ボクは武巳兄ちゃんの言葉に首を傾げる。

憧れ≠チて何かな?

ボクにはよく分からない。

気持ちの一つかな?

「想二、憧れ≠ヘ気持ちに近いな」

「そうなんだ〜」

「人は全てに理由を付けたいからな。詳しくまでは解明されていないから、なんとも言えないかな」

ボクは武巳兄ちゃんの言っている事が、半分しか分からなかった。

「武巳兄ちゃんは怖くないの?

「ああ、怖くない」

「ホント?」

「本当は怖いけど、想二を守らないといけないから」

ボクはその言葉に、何かを想った。

なんて、言えばいいのかな?

頼もしいのかな。

なんか、安心出来るの

あれ?眠くなってきたよ…。

─☆─☆─☆─

「想二?…寝たのか」

オレは想二を落とさないように、支えて暗い夜道を歩く。

「疲れたのか。ゆっくりと眠りな…想二」

二人は羽間市に向かって、歩き続ける。

オレは遠くからしか、想二を見守れない。

だって、想二は神隠しに遭ってしまったから。

弟でのは、こんな感じかな?

月は道を照らし続ける。

皆、ごめん…。

オレは追憶しているしかなかったけど、今は敵になるかもしれない。

想二、ありがとな…楽しかったぜ。







遊園地の帰り道、武巳と想二のやりとり。
テーマは、ほのぼの。
この話で、第15作目になります。
読んでいただき、ありがとうございます。



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