―――泉がいなきゃ意味ない!!
このたった一言で、俺の決心は簡単に揺らぐものになってしまった。
皆に迷惑を掛けたくない
でも
俺がいないと
意味ないんだ
意味、ないんだ……
「泉は…怖いんでしょ」
栄口の言葉に顔を上げる。
その『怖い』という単語は俺の中にしっくりなじんで俺は心の奥底では恐れていたんだと気付く。
恐怖を無意識に皆の為だと置き換えてしまっていたのか。
そうだ……
俺は――――――…
「今の自分を受け入れてもらえるかどうか怖いんだ……」
足手まといになりたくないっていうのも本当。
皆に迷惑かけたくないっていうのも本当。
でも、一番は―――――…
「みんなが俺から離れてしまうんじゃないかって」
だから自分から手放そうとした。
自分が傷つかないために。
自分を守る為に。
結局、俺は俺のために皆を傷つけた。
自分の事しか考えられなかった。
「俺は……弱いんだよ。お前らが思ってるよりずっと」
本当に俺は弱虫で。
ちっぽけなんだ。
こわいものからは逃げる術しか知らない