何を話したらいいか分からず、栄口は白目がちな大きな瞳を彷徨わせた。



「あの、水「ごめんなさい!」…え?」


栄口は、声を遮り突然大きな声で謝罪をした目の前の頭に焦点を合わせた。



「我が儘ばっかり言ってごめんなさい。学校でちゅーしてごめんなさい。栄口を信じれなくてごめんなさい。――……あんなこと、言ってごめん、なさい」


あんなこと、と言われて栄口はすぐに水谷の最初の言葉だと感づいた。


そして、自分も答えなければと思う。

このまま有耶無耶になってしまうのは嫌だ。








…本当に、俺のこと好きなの―――――?








水谷のバカ。好きに決まってるだろ。



好き、



好き




大好きだ





ホント、どうしようもないくらいにお前が










「好きだよ」











怒りでもなく、許しでもなく


いきなりの栄口の「好き」という言葉に水谷は心臓がドキリと高なった。






「え、と、好き…って?」



ポカン、としている水谷に栄口はやけくそに怒鳴った。





「だから、俺は水谷の事が好きなの!!水谷が、俺のコト、もう嫌いだったとしても……俺はお前が好きだから」


もう嫌い、という言葉にカチンと来て水谷も怒鳴り返す。



「なっ、嫌いなわけないじゃん!!栄口が俺を嫌いになっても俺は一生栄口を嫌いになるなんてことあり得ないから!!」


怒鳴り返された栄口もムッとして水谷に対抗する。


「俺だってお前を嫌いになるとか一生あり得ない!!……ってえ?水谷、俺のこと嫌いになったんじゃなかったの…?」





対抗したはいいが、数時間程前のことを思い出し栄口は目を白黒させた。






水谷は禁止ばかりする自分に嫌気がさし、自分は捨てられたと涙を流したのではなかっただろうか…


それなのに今水谷は栄口を嫌いになることは一生無いという。






栄口は自分の大きな勘違いに気付き、カァ…と頬を染めた。




「え?なんで…?」


俺、そんなこと言ったっけ、とまたもや折角整っている顔をポカンとさせて台無しにしている水谷は頭に?マークを浮かべている。












「…ごめん、俺なんか勘違いしてたみたい」


「ふぇ…?」


「………いーよもう」









「…さかえぐち、」




呆れてそっぽを向くと呼ばれる名前。












「な 、」




何、と言おうとした言葉を遮ったものは

















きみのねつ




















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