「栄口!!」


保健室の扉を無遠慮にガラリと勢いよく開けた水谷は栄口の姿を探した。


そして、眠っている栄口の姿を見つけ、ほっと胸を撫で下ろしながら近づいていく。




「…に、みずたに」








「っ!!?」















…自惚れてもいいのだろうか。

水谷はとくとくとなる鼓動を抑えながら乾いた目を数回瞬いた。




ベッドにそっと近寄り、栄口を踏まないように腰かける。







「さかえぐち、」







ドキドキしながら名前を口にする。


信じられないなんて、ホントバカだ。


両思いだったからって少し欲張りになっちゃったのかな。





「さかえぐち…すき」




名前を呼ぶだけでも、こんなにも愛おしいのに。





「だいすき」







どうか眠ったままでありますように、と祈りを込めて。



水谷は初めて禁止を破り、色味が戻ってきた唇に口づけた。



























禁断の紅い果実























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