ああ、なんてことを言ってしまったんだろう。

教室に戻った水谷は自分の席に着くなり椅子に崩れ落ちた。



栄口が、自分との仲を守る為にそうやって注意をしてくれているのは分かっていた。





それでも、我慢できなかった。


歯止めが効かなかった。





水谷は自分でよく耐えていた方だと思っていた。

駄目だと禁止された場所では、キスもおろか手すら繋いでいない。

帰り道で、日々距離が空いていくのを不安に思ったり、ちょっとしたことで嫉妬してしまったり、水谷はもう限界だったのだ。




栄口を、信じることか。

それとも理性なのか。



どちらともつかないが、きっとどちらももう限界。我慢の限界。



栄口は俺に触りたくないんだ。

キスだってしたくないんだ。

本当に栄口は俺のコト好きなの――――?



心臓がどんどん冷たくなって、ミシミシと音をたてて割れてしまいそうだ。






キライ、キライだ

栄口が?

ううん、違う、キライなのはきっと、栄口を信じられない自分だ






















ほんとうに反吐が出そう





















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