YAKINIKU WARS
※589現パロ
腹ペコ学生の日常

「こちらへどうぞ〜!」

元気のいい店員の声に案内され、三人は席に座り早速メニューを開く。

「久々の焼肉だからな!食うぜ、食うぜー!!」
「腹減った〜…俺も沢山食うぞ!」
「同じく。容赦はしないぞ…」

とりあえず量が多くてお得な感じの盛り合わせ&飲み物等を注文し、しばし待つ。
おしぼりとか皿とか箸とかタレとかをジタンが各々配り、戦の準備に取り掛かる。

「ジタンはこーゆーとこマメだなぁ…合コンとかでもやってんの?」
「そうか?フツーだろ」

モテるオトコ(自称)のジタン曰く、少々男側も世話を焼く位が丁度良いそうだ。
後は女の子達にお願いすると大体快くやってくれるらしい。

「全部お任せするより半分こ…ってとこがポイントだな」

ジタンのモテ自論を聞いているスコールは、納得出来る様な出来ない様な…そんな半々な気分で注文の品を待つ。

「ま、その女の子によるけど」

結局そうだろう…とスコールが心の中で思っていた所『お待たせしました〜!』またもや店員の元気な声が頭上に響く。

「お、来た来た!じゃあ、マメなジタン君。焼いてくれてたまえよ」
「冗談!野郎だけの焼肉でそこまでするかよ」
「…お前ら、話をしているヒマがあるのか…?」

マイトングで早々にマイ肉を焼き始めているスコールに「ずるいぞ、スコール!」と、他二人も急いで肉を金網の上に投下する。

「ここからここまでがバッツ様の陣地だからな…入ってくるヤツは肉を叩き落とす!」
「微妙な三等分で解りにくいっつーの」
「金網上は無法地帯に決まっているだろう」

大騒ぎの末、あっという間に盛り合わせの肉が三人の胃袋へ消えていく。
次の品物を吟味すべく、メニューを眺めるバッツが「あ!」と声を上げた。

「この『超特上カルビ』っての食べてみたい!なぁ、スコール」
「お、美味そう〜…なぁ、スコール」
「……何故、俺を見る」

変にキラキラした目を二人に向けられ、怪訝な表情をするスコール。

「有名人のお父様を持つ、セレブなスコールさんに奢ってもらおうかと…」
「同じく〜」
「セレブ(か、どうかは解らないが)なのはアイツで俺はそうじゃない!」

結局二人からの猛攻撃を受け、あえなく撃沈したスコールは、ひと皿だけ奢るという結果に終わった。

「サンキュー!スコール。今度、学食のラーメンに運良くチャーシューが二枚入ってたら一枚あげるから!!」
「俺も〜」
「遠慮しておく(普通全部じゃないのか…)」

暫くすると超特上と一緒に野菜焼きセットも運ばれて来た。

「誰だ?野菜焼き頼んだの」
「俺だ。栄養のバランスが悪い」
「えー!獅子なら肉だけでいいじゃん!!」

少々、不満の声も上がったがスコールの「野菜食べたら超特上」の言葉に二人はせっせと野菜を焼いていく。

「スコール、お母さんみたいだな…」
「何か言ったか?」
「いやスコールも意外とマメ男なんだなーって…」
「このくらい普通だ」

バッツとジタンは顔を見合わせクスリと笑う。
スコールは、野菜が焼き終わるまで隠し持っていた超特上肉の皿を「ほら」と二人に差し出す。
後はピーマンが一枚残っているだけとなり、ようやくお許しが出た様だ。

その後「焼き方が雑だ」「乗せすぎだ」等々スコールからの注意が飛ぶ事となったが、
美味しい食事と楽しい時間に笑顔しかない三人であった。


〜fin〜


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2012 2.28 UP
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