12月24日
※589現パロ
高校生位で
クリスマス小話

地獄の期末テストも学校も終わり、楽しい楽しい冬休み本番。
街も人もどこか楽しげなクリスマスイブの夜、ジタンは一人暮らしをしているスコールの部屋を訪ねる。

「お邪魔〜…と、バッツのバイトって何時に終わるんだっけ?」
「21時だと聞いていたが…」

時計はもうすぐ21時半を指しており、そろそろこちらに辿り着いてもよい頃だ。

いつの頃からか、三人でのクリスマスパーティが恒例となった。
パーティなんて大げさなものでは無いが、三人でただ喋ったり、テレビを見たり、ゲームをしたり…。
普段と変わらない気もするが、自然とそうなってしまうのだ。

『今年こそ俺は脱却するぜ!』

と、宣言していたジタンだったが、今年も結局例年通りになってしまった様だ。

「あーまたスコールとバッツと一緒か…」

ソファーを背もたれに床に体育座りをしていたジタンは、クッションを抱えながら空を仰ぐ。

ジタンの前に座るスコールは、何も言わずテーブルのコーヒーカップに手を伸ばす。
何だかんだ言いつつこうして集まるのだ。
ジタンだって楽しいと思っているのだろう。
本気で脱却しようと思えば出来るハズなのだから(多分…)

そんな事を考えていると、メールの着信音が鳴った。
そこには一言…。

『入れてくれ〜』

「…バッツが着いた様だ」
「お、やっと来たか」

玄関を開ければ、賑やかな音と共に赤いサンタの衣装を着たバッツが入って来た。
ご丁寧に白髭&プレゼント袋のオプション付き…どうやらバイト先からそのままの姿で来たらしい。

「や〜まいった!この格好で電車乗ったら流石に目立っちゃって」
「(当たり前だ…)……」
「ちょ、何やってんだよww」

心の中で呟くスコールと、ゲラゲラ笑うジタン。
そんな二人を嬉しそうに見つめながら、バッツサンタは袋からケーキの箱やらクリスマス用の惣菜等を取り出す。

「お待たせしました〜残り物で悪いけど味は美味いぞ」

バイト先からのお裾分けをテーブルに並べていけば、、幾分イブの夜らしくなった…気がする。
若干無造作に並べられたそれを、横でスコールが整えていく。

「さ、パーティを始めよう!」
「なぁ、バッツ。乾杯用のシャンパンとか無いの?」

がさごそと遠慮無く袋を漁るジタン。

「未成年にはこれだろ〜」

バッツは袋の底からスーパーなどでよく見かける、お子様用のシャンパンもどきを出しをジタンの目の前に突き出した。

「えー…」
「文句言わないの!」

スコールの家に気取ったグラスも無く、フツーのコップにシャンなんとかを注ぎ、三人で乾杯をした。
甘い炭酸が三人の喉を潤していく。

「なぁ、サンタさん。プレゼントちょーだい」
「良い子にしかあげません。よってジタンにはあげれませーん」
「……(俺は大丈夫だろうか)」

なんだとー!と、バッツサンタの髭を引っ張るジタン。
アイタタタ…とされるがままのバッツ。
それを呆れた表情で眺めるスコール。

相変わらずの光景、三人でのクリスマスは毎年代わり映えしないけど…とても楽しい。

外は静かに、ゆっくりと夜は更けていく。
この部屋はいつまでも賑やかに過ぎていく事だろう。


〜fin〜


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2011 12.24 UP
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