日記等での小ネタの寄せ集め。 思いっ切りくだらない内容となってます。 〜その4 ■人様に送ったお話■ ※589 ※一度はやりたいちびっこネタ *** この世界に来てから色々と驚かされる事も多かったが、元来の性格であまり表に出さず過ごしてきた…つもりだ。 だが、しかし…今、目の前にある問題に、俺は正直どうしていいのかと困惑している。 「おい、すこーる…いつまでむずかしいかおしてるんだ?」 「そうだぞ、みけんのシワがふえてんぞー」 増えてるのはお前達のせいだ!と言いたい気持ちをグっとこらえて、俺は自分の足元に居るバッツとジタンを睨む。 「しょーがないだろ〜ひるねからさめたらこうなってたんだから」 「おれたちもワケわかんねぇよ、なぁ?」 同時に『な!』とハモりながら、何故か自信満々に俺の前で大きく胸を張る。 が、その二人の姿は…正に小さい子供で…3、4歳位といった所か…。 ただ、頭の中身はそのままの様で、子供の姿のクセしていつもと同じように喋ってくるので何だか可愛げが無い。 「アレかなー…ひるねまえにくったヘンなかじつのせいかなー」 「ちょっとしぶかったな…ぜんぶたべちゃったけど」 何で変と解っている物を普通に食うんだコイツらは…そっとため息をつく俺に、いつもより更に小さくなったジタンから抗議の声が上がる。 「あ!いま、すこーるぜったいおれたちをバカにしただろ」 「……してない」 「いいや、してたな!おれはみのがさないぞ」 更にバッツが同調し、子供特有の高い声で騒ぎ立て、やかましい事この上ない。 とにかく…このまま敵に出会しては危険なので、他の仲間たちと合流しようという事になり森の中を進んで行く。 ザッザッザッ…。 てくてくてく…。 「おーい、すこーるちょっとまてって」 「おいつけねぇ…」 振り返れば、数メートル後方にバッツとジタンが眉を八の字にして立ち尽くしていた。 「あしのながさがいつもとちがうんだからさ〜ゆっくりあるいてくれよ」 「じたんはあんまりかわらないけどな!」 「なんだと!」 尻尾を膨らませキーッと怒るジタンの頭を抑え、逃げようとするバッツのマントを捕まえながら、本日何回目かのため息を吐く。 「解ったから余計な事をするな…」 「だって、ばっつが…」」 「じたんすぐおこるからな〜」 「落ち着け!」 『……はい』 (…静かにしてくれ) チラチラと左右に居る二人を気づかいながら、俺はゆっくり、非常にゆっくりと歩いていく。 自分のペースで歩けないというのは、こうも疲れるものなのか…。 どの位進んだだろうか、森が開け、周囲が明るくなった眼前に川が見え行く手を阻む。 深さと向こう岸までの距離はそう無さそうだが、子供の姿の二人には少々きついかもしれない。 休憩を取りつつ周囲を偵察したが、橋も無かった…と、なると方法は限られてくる。 「すこーるにはこんでもらえたらうれしいんだけどー…」 「うんうん、おれもそうしてもらいたい!」 (やっぱりそうなるのか…) バッツ曰く一人を肩車、もう一人を抱きかかえればいいんじゃない?と、言うがバランス的に不安を感じる…。 しかし、ずっとここにいる訳にも行かないのでとりあえず実行に移してみた。 「おーいいながめ!とおくまでみわたせるぜ」 「おい、あまり動くな…!」 「おれにもつみたい…」 肩にはバッツ、左の小脇にジタンを抱え、右手で靴を持ちいざ川に足を入れる。 思ったより流れがあり、一歩一歩力を入れて進んでいく。 「このこうけいなんだかおっかしいよな〜」 「はたからみたらわらっちまうぜ」 上と下でそんな会話している二人の言葉にハッとなり、今の己の姿を想像してしまった俺はピタリと足を止めてしまった。 非常事態だ、仕方ないだろ…!と、自分言い聞かせ深呼吸をする。 だが、出来れば…誰にも会いたくない…。 岸が見えてきた、もう少しでこの羞恥極まりない状態から開放される…!その時、頭上のバッツが声を上げた。 「あ!おーいみんな〜」 ブンブンと手を振りながら声を張り上げる。 どうやら、他の仲間達の姿を見付けた様だが、俺自身は心臓が跳ね上がりそうだった。 おい、呼ぶな、叫ぶな、動くな…!! 「ばっつあぶないって…!」 小脇に抱えたジタンが不安そうな顔で見上げてくる。 「だいじょーぶだって…って、おっと!」 「!!」 俺はバランスを崩し、激しく水面に身体を打ち付けた…暫くして気付き起き上がれば、全身ずぶ濡れだ。 ハッと周囲を見渡すとバッツは俺の背後に倒れ、ジタンは腰のファーにしがみついている…が、その姿は先程の子供ではなくいつも通りに戻っていた。 「三人とも大丈夫?」 「何やってんのさ、全く…」 いち早く駆け付けた不安そうなティナの顔と呆れ顔のオニオンの後ろから、更に皆が続く。 イタタ…と、バッツとジタンが起き上がり互いの姿を確認する。 「あれ?戻ってるぞ」 「本当だ、何なんだよ…全く」 色々悪かったな、スコール!と、二人が手を差し伸べてきたが瞬間、思いっ切り引っ張り川に沈めてやった。 「げほっ!スコール酷い!」 「ごほっ…俺じゃないそ、バッツが悪いんだからな!」 「元はと云えば、得体の知れない物を躊躇なく口にしたお前らに責任がある…!」 状況がいまいち飲み込めず、不思議そうな仲間達の視線を気にせず、俺達は川から出る事無く水をかけ合い、言い合いを続ける。 水飛沫が周囲を賑わすが、一度火がついたら止められないんだ…! 「騒がしいな…」 「止めなくていいのかな」 「いいんじゃないスか?楽しそうだし!」 「あれのどこが楽しんでいるんだ?私には理解し難い」 「やっぱり仲がいいな、この三人は!」 〜fin〜 2012 5.22 少し手直ししました。 ■59連載モノ小話■ ※ほぼ2と10 *** 「凄い人だな」 「男だらけでむさ苦しいっスねー」 帰りに時々寄る駅ビルのメンズフロアは、普段は閑散としてるけど、今日はバーゲン初日とあってか珍しく人で賑わっていた。 俺は取りあえず近くの店に入り、適当に洋服を広げていく。 「ティーダは何を買いに来たんだ?」 「俺は、Tシャツ数枚と…ん?」 人混みの向こうに見覚えのある二人組の姿を発見…一人は埋もれて見えにくいけど、バッツとジタンだ。 「あいつらも買い物か、皆考える事は一緒だな」 「そうっスね」 ははっ、とフリオは笑いながら、近くのディスプレイを眺める。 「ティーダ、これなんかどうだ?お前に似合うんじゃないか?」 「…色はいいけど、柄が自分的にあり得ないっス」 「そ、そうか?結構いいと思ったんだが…」 フリオのセンスは置いといて…俺は何だかあの二人が気になってつい見てしまう。 何軒か先の店の前で、何やら楽しそうにやってるっス…。 『おい、バッツ。ちょっと屈んで』 『なになに?』 『この帽子、バッツに似合うと思うんだけど…よっ…と』 『どう?どう??』 『うんうん、いい感じ』 『マジで?買っちゃおうかなー…あ、ジタンにはこっちの色な、ほれ』 『へへっ、どうよ』 『似合う〜これはもう買ってお揃いにするしかないな!』 『えー…それはちょっと…』 『何で?!』 『ウソ、冗談だって!』 ………。 「うぎゃおぉ…!!」 「ど、どうしたティーダ…変な声出して」 二人の間に流れるほのぼの?した会話を、何故か脳内でキャッチしてしまった俺は、慌てて店の奥へ隠れた。 別に隠れる必要は無いんだけど…何となく顔を合わせたくないっス。 「おい、ティーダ…」 「キャッキャッした会話が頭の中で聞こえてきた…」 「?」 チラリと向こうの店を見れば、同じショップの紙袋を抱えて、幸せそうに帰って行く二人の姿を目撃してしまって…。 「やっぱりそうなるっスよね…」 「??」 「何だか恥ずかしいモノ見せられた気分…」 「そ、そんなにダメだったかあの服の柄…」 勘違いしているフリオを再び置いといて、俺は気を取り直し服選びに集中するのだった…。 『明日からかってやるっスよ…!』 〜fin〜 2014 7.15 ちょっとキモチワルイですね! ■59連載モノ小話■ ※ほぼ2&10。 ※上記の続き? ※バーゲン再び *** 「混んでるな〜」 「何かムシムシするっス…外、超寒いのに」 バーゲン初日、駅ビルのメンズフロアはやっぱり混んでいて…暖房のせいか若干暑さを感じつつ、俺とフリオはとりあえず前回行った店に入った。 「ティーダは今回何を買うんだ?」 「うーん、パンツ欲しいかな〜」 「下着はもうひとつ上の階だぞ?」 「……ズボンの方っス」 「あ、あぁ、そう、そうとも言うな…」 照れ隠しなのか、近くにあった派手シャツを慌てて手に取り、自分に合わせているフリオは置いといて…俺はうろうろと目当ての物を探した。 と、程よく混んだ店内の奥に見覚えのある二人組を発見…って、これ前にもあったような気がする…。 一人は埋もれてて見えにくいけど、バッツとジタンだ。 (前回は遠くからだったけど、今回はちょっと近くなった気がするっス…) 楽しそうにマフラーを選ぶ二人が気になって、またもや目が離せない俺は、近くにあったマネキンの陰に隠れて様子を伺う。 表情は見えるけど、周囲の混雑でさすがに会話まで聞こえない…聞こえない…って、あれ ?あれー? ………。 『ううむ、ジタンは青もいいけど、赤も捨てがたい』 『そうか?ま、俺は何でも似合っちゃうけど』 『だよなぁ』 『…そこはツッコめよ…まぁ、いいや。つか、お前意外とピンクとか似合うかも…ほれ』 『マジで!ジタンが言うならこれにしてみようかな!』 『………あー…いや、ごめん。やっぱナシだわ』 『えー…じゃあ、無難にグレーかなぁ』 『あ!それ、俺も狙ってたヤツなんだけど』 『へへっ、お揃いにしちゃう?』 『………』 『スルー!』 ………。 「おぇっぷ…!!」 「ど、どうしたんだティーダ、変な声を出して」 前回同様、二人の会話を脳内でキャッチしてしまった俺は、マネキンに寄りかかりながら頭を抱えた。 「おい、ティーダ…大丈夫か?」 「キャッキャッした会話がまた頭の中で聞こえてきたっス…」 「?」 チラリと向こうの店を見れば、同じショップの紙袋を抱えて、幸せそうに帰って行く二人の姿を目撃してしまって…。 「やっぱりそうなるっスよね…」 「??」 「この恥ずかしさをまた味わうとは思わなかったっス…」 「そ、そんなにパンツ違いが…」 「は?」 「え?」 …勘違いしているフリオを再び置いといて、俺は気を取り直し服選びに集中するのだった…。 『明日、あの二人が何色のマフラーか確認してやるっス…!』 〜fin〜 2016 2.16 やっぱりキモチワルイですね!! |