ロローグ



この世界には、2つの大都市が隣合わせで繁栄している

3つの民層があり結界で守られているザーフィアス。
音機関が栄え、音素で溢れているグランマニエ。

そのザーフィアス内では、ある一家が注目を集めている

ザーフィアスを護る騎士団の1つ、フレン隊隊長、フレン シーフォの家族だ
金髪青眼、整った顔、王子ルックスで信頼もある有名人が美人な嫁さんを迎えたのは既に数年前。


「今帰ったよユーリ」
「おー、お帰り」


仕事帰りを迎えたのは、フレンの嫁ユーリ

長い黒髪を揺らし、紫暗の双眸は優しく細められている
嫁とはいえども、ユーリもフレンも男だ

それは間違いない。

そんな仲睦まじい2人には6人の子供がいる

「ん?アルスは一緒じゃないのか?」
「ああ、アルスなら途中でユーキと会ったみたいでね、もううすぐ帰ってくると思うよ」
「そうか。ならリビングで待つか」

既にリビングにはアルスとユーキ以外は揃っている


「お帰りなさい、フレンさん」


そう言って微笑むのは、この家の常識人、三男のパシャ

紫がかった銀髪のハネっ毛で紫暗の目をした少年
軍に所属しており、階級は少尉でヒューバートの部下兼補佐をしている


「ユーリ腹減ったー!」
「同じくー」


食事を要求しているのは、四男のセツナと長女のライの双子コンビ
一卵性の双子で紫暗の目は同じ、髪型もハネっ毛と同じだが、ライは黒く染めてセツナは銀色のままにしている
ライは凛々の明星のメンバーに所属し、セツナはグランマニエで六神将を担っている


「もう少し待てって。そうだ、カロルー、ラピードにフードを」
「うん、OKー」


五男のカロルはユーリと共に立ち上げたギルド、凛々の明星の首領でもある

ちなみにラピードとは噛み癖のひどい好奇心旺盛な青い子犬である。


「たっだいまー!」
「ただいまー」


元気良くリビングの扉を開いたのは、赤褐色の髪に翡翠色の眼をした青年
その後ろには黒髪ポニーテールの青年もいる

長男のアルスと次男のユーキだ。

アルスは父フレンの隊に所属し、期待のルーキーとされている
ユーキはユーリやライと同じくギルドに身を置いている


「お帰り2人共。早く座れ」


ユーリに促され定位置に移動する
家族が揃う事は希な為、こうして揃った日は全員で食事をするのだ

話すのは仕事や出来事と様々だが、この時間は皆が楽しみにしているもの
ユーリの愛情たっぷり料理を食べながら笑顔を浮かべている子供達を見回し、フレンの視線はユーリに止まる


「…この時間を守らないとね」
「何か言ったかフレン?」
「いや、何でもないよ。ユーリの料理は絶品だね」


そう言えば、一瞬キョトンとしたユーリも、少し赤くなりながらも顔をそむける
そんなユーリを見てフレンは幸せそうな笑みをこぼした


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