八月あとがき

○きみは八月
・タイトルのきみ=むっちゃん。あんなにも夏空が似合う刀…。
・修行編である八月の近侍は、この本丸一番の古株である山姥切国広に。ずっと本丸を見てきた刀にみんなの出発を見守ってほしいという主の願いですね。
・ちょいちょい大河の話出してすみません
・ノウゼンカズラって整え方によっては笠みたいな形にもなるし藤棚みたいにもなるそうですね!ノウゼンカズラめちゃくちゃ好きなんですけどそういうの知らなかったので知れて良かった(感想文)
・脚立が似合う号、ゴーグル装着号、リアカー押す号、自分の趣味詰め合わせ回でした。

○愛する八月
・不動、旅立ちの話。不動は顕現したばかりの時、主の手を振り解いています。その時からの時間の経過が分かる回ですね。
・むっちゃんは主が日本号のこと好きかもしれないこと知ってるんですよね。二人の間に何かがあることが分かっているので「ラブじゃなくてライクのほうやき〜」などと軽口叩きつつちゃんと「そういうことじゃないよ」というのを伝えとこうと思った、みたいな感じです。
・悪夢の話は、前々からちょこちょこ夢の話と海の話を出すことでぼんやりながら伏線張ってましたが、いざ書いてみると唐突だし女々しいと思われるかもな…と思いつつ、ラストに繋がる話なので書きました。ちなみに、五月の話で主が日本号に背負われた際の「あんたは軽いな、前任に比べて」はここに繋がります。前任は酒で無茶しないタチ、という設定なので、日本号がその重みを知ったのは夢の中での話、という感じですね。
・男にゃ変わらないかん時があるきに!っていうむっちゃんの修行見送りボイス、刀剣男士と審神者の両片思いなどの事情が背景にあると意味深になって良い。

○おかえり八月
・おかえり不動くんの回。これまで意識的に、不動には審神者を「主」と呼ぶ描写はいれなかったので、ナチュラルに「主」と呼んでくれる不動くんへの驚きと嬉しさを感じていただけてたら大成功です。
・不動くん、声帯が阪口大◯さんなのでどうしてもツッコミさせたくなってしまう

○越えて八月
・蜻蛉切さんと電話……したいじゃないですか、ねえ……
・日本号さんが主に写真持ってくるの頼むの忘れたのは素で忘れてます。あとここで言う「声も好きかもしれない」っていうのも地味にラストに繋がっていきます。
・槍メンツは基本戦以外では大らか〜なイメージなので、蜻蛉切も御手杵も日本号が主と最近仲良いな〜良かったなぁ、くらいに思ってくれてる。その大らかさは日本号的には同室としてかなり気が楽なところ。
・山姥切は、日本号と主の間にある微妙な関係とかには特に気付いては無いけど、だからこそ常に中立的というか、目線が変わらずにいてくれるのでそこは主も日本号も書き手としても有り難かったです

○ひかる八月
・「修行って何ですかね?」修行の手紙一通目来た時のリアル第一声なんですよね、でもそんなところも好きです(はい)
・盆提灯がめちゃくちゃ好きという話。目印が無いと帰って来られないような不確かな存在を呼ぶためにわざわざ盆の日だけに使う提灯買って、ってほぼ執念だよな〜という。

○拝啓八月
・出さない手紙の話です。本当は前任ではなく主に対してほとんどラブレターみたいなもの書く話も考えていたのですが、イヤ私が書きたい日本号さんはそんな日本号さんじゃない、自分のけじめのための文を書く日本号さんがいい(※個人の見解及び趣味です)と思い、こういう話になりました。
・日本号さんがこれまで修行に行かなかった理由としては、お話の中でも書いた通り「いつか行ってみてもいいかもしれないけどこれ以上があるかも分からないのに修行に行くってのもな〜」という軽さでここまで来てしまった…みたいなイメージです。
・「天下三槍が一本、日本号。この恩を仇で返すことだけは決して致さぬこと、ここに誓おう」の後に「恩に報いてこその仁。誓いを守り通すことこそ義。仁は人の安宅なり、義は人の正路なり。元が道具であろうが、恩と矜りを忘れて男は生きられないだろうから」という文言入れようと思ったのですがやめました。急に浅田節みたくなるのちょっと違和感あるな…と思ったので…。また別の話で使えたらいいな〜と思います。矜りの男・日本号の話書きたいですね〜

○呼んで、八月
・筑前の町については大急ぎで勉強したので間違い等々あると思います。生温かい目で見てやっていただけたら幸いです。
・母里太兵衛の息子の弔いを日本号さんが一緒に、という話はずっと書くのを楽しみにしていた話でした。母里家に日本号が来た翌年、太兵衛の息子・吉太夫は亡くなります。日本号さん的には吉太夫は一年しか縁のない人間ですが、あの時代に武士の息子として生まれた男が船の難破で死んでしまう、というのは想像を絶する絶望なのかな…と思いまして。だからこそ日本号さんも自分の酒をだばだばと海へ流した…的な流れです。

○はるめく八月
・日本号、主、前任を繋ぐ夢の話です。
・死による執着や執念の喪失は自由でこそあれ、生きているからこそ生まれる、時に憎く、醜く思えるほどの執念があって、それは不自由だけど、だからこそ人は生きている、ということを書いてみました。前の話で日本号さんが言う「一人じゃ生きていけない不自由さ」という話に繋がります。人は一人では生きていけなくて、それは本当に不自由で鬱陶しくもあり、けどだからこそ生きている…というお話。
・景色はかなり現実味のない夢の話なのですが、描いたのはただただ現実です。いない父という現実。春の優しい景色の中で日本号さんがいて良かったな〜と思いますね(軽い)

○さよなら八月、また会いましょう
・日本号さんは最終的に、主から「好きです」と言われた時から全部始まっていたのかもしれない、と結論づけました。あの瞬間、日本号さんの中で季節が切り替わり春になった…というイメージですね。あくまで心象世界的な話ですが。
・日本号さんからの矢印の大きさが無限大な感じになってしまって自分で書きながらフヒヒwwwとなってしまう
・日本号さんと恋をする話は大団円ハッピーエンド以外あり得ないと思っていたので、着地が笑っちゃうくらいのハッピーエンドに落ち着けて良かったです。これで心置きなくラブラブな続きが書けます(はい)