つまんない


こんな世の中


君たちに会うまではそう思ってた。








01.








ざわざわ……


「次の授業ってなんだっけ?」


「昨日のドラマ見たー?」


「アハハ、何それ!」


他愛もない会話が教室中に溢れてる。


私はそんな教室で1人でお弁当を食べてた。


誰も私なんか気にも止めてない。


……1人を除いて。


私の目の前の椅子に、その1人がドカッと座った。


「何、一人で食ってんだよ。」


「大地……。」


大地は、小さいころからの私の幼馴染み。


「……1人で食べたかったから。」


「なんだそれ。」


それだけ言うと、大地は黙々とお弁当を食べ始めた。


私たちは、小さいころからずーっと一緒だった。


親がいない私を、近所の白い目も気にせず、大地とその家族は可愛がってくれた。





「ねぇ、あの2人って付き合ってるのかな?」


私も黙々と食べてると、後ろの方からコソコソ話が聞こえてきた。


「えー!もしそうだとしたら、大地くん可哀相!」


「ねー!大地くんかっこいいのに、なんであの子なんだろう?」


もう聞き慣れた。


私はまだ食べかけのお弁当箱をしまって、席を立った。


「どこ行くんだよ?」


「屋上。」


これ以上、私のことで大地が噂に出るのはいやだ。


だから、1人になりたくて……


「おれも行く!」


「え、いいよ!1人になりたいし!」


大地はお弁当の残りを口に突っ込んで、もぐもぐしながらしゃべった。


「おれは、何も言わないから!」


「1人になりたいんだってば!」


私は足早に教室を出た。


少し遅れて、大地が付いてくる。


何で付いてくるの!?


「付いてこないで!」


「なんで?」


「だから……」


「1人にはさせないからな!」


どういうこと?


「………っなんで?」


「ほら、お前って何かと危なっかしいし。」


わけわかんない……


私は大地を無視することにして、屋上に向かった。













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