1 口論
「貴様!
…言ってもいいことと、悪いこと…というものがだな…!」
「あぁあぁ、なんべんだって言ってや…「黙れ!
それ以上は…それ以上の愚弄は、いくらお前と言えども許さんぞ?!
いくら長きに渡り苦楽を共にしてきたお前といえど…」
「俺ぁ綺麗事なんてまっぴらごめんだね!
事実そうじゃねえか。
こんな…こんな世界、なんの意味もありゃしねえって。
おめえだって十分過ぎるほどに分かってるくせしやがっ…「この世界は!
我らが友が!
その尊き命を賭してつくりあげた、我らの新しき世界、新しき拠り所…「なにが?!
なにがどう、ヨリドコロなんだよ?
いねえじゃねえか!
ここに、この世界に、いねえじゃねえか、そのマルコがよ!」
「…っ
…だから、それは…っ」
「どんな言葉でどう繕ってみたところで。
結局同じことが繰り返された、俺達はただの傍観者だ、違うのかよ!?」
「だからとて!
マルコがその命を注いでまで創った、我々に託してくれた、この世界を!
無意味だ、意味がないなどという暴言は、私は断じて許すことが出来ない!」
「だーかーらー、それが綺麗事だってんだろが!」
「やかましい!
綺麗事だかどうだかは知らぬが、だから言っているだろう!
言っていいことと悪いことがある、と。
この世界を皆が必要としている、我々は歴史の生き証人として、この世界を発展させていく義務がある…!」
「は、ギムがどうした。
結局あれか。
頭では分かっていてもあえて目ぇ背ける、お堅い天使様ってぇのは本っ当面倒くせえな!」
「ちょっと待っ…「うっせーよ。
部屋戻んだよ。
埒があかねえ話しててもしゃあねえだろうが」
「コッキー!
…あぁあもう!
勝手にしろ!」
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