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寝起きドッキリ

「先輩、聞いてくださいよ。私、あの子に会えたんです」

いつもと同じように相変わらず青白い顔で、無表情。しかし口ぶりはハイテンションというミスマッチさに定評のある後輩が部屋に特攻してきた。

・・ねえ、何時だと思ってんの。深夜3時よ。

うちは一族って子供への教育しっかりしているはずだったんだけど。

・・まあ、こいつが言うこと聞くはずもないか。フガクさんも大変そうだな。・・いや、ずっと大変そうだったわ。お疲れ様です。

「お前マジ何しに来たの」

「寝起きドッキリです」

「数分前に寝たんだけど。まじで眠いんだけど」

「私に先輩の眠さはわかりません」

・・そりゃそうだろうけどさ。眠すぎて頭が働かない。

「お前、こんな時間にわざわざ来る必要ないでしょうよ。・・体調は大丈夫なの」

「はい。本体はぐっすり熟睡中ですので、私が代わりに」

「・・・。」

こんな時間に(殺気で)たたき起こされた俺が、海のように寛容な心で怒りを収め、体調の心配をしてやったというのに。

は?本体は熟睡中?

・・舐めてんの?・・・・いや、こいつはずっと俺のこと舐めきってたか。


「先輩、相談したいことがあるんですけど」

「俺、明日・・というか今日Sランクの任務があるんですけど」

「なんだ、Sランクですか。なら先輩の実力なら余裕のよっちゃんですね」

「・・・で、なんなの。相談って。手短にね」

「はあ。じゃあ手短に102コの質問事項を尋ねていきますので、1問1答でお願いします。大丈夫ですよ、1問につき1秒かけても2分もかかりませんから」

「もうお前が任務してこいよ」

「え、やです」

可愛い顔している自覚のある奴が可愛くウインクしたら・・まあ可愛いんだが、このときはただ殺意しかわかなかった。


「先輩、今何時だと思っているんです?千鳥なんて出しちゃって」

「いや、もう全部お前のせいなんだけど。そういうお前も螺旋丸しまえば」

「ふふふ。じゃあ一緒にしまいましょうね」


まあ、なんだかんだでつきあいの長い後輩との時間は嫌いじゃない。

・・眠いけど。

結局その日は徹夜明けで任務に行くこととなった。


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