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冬休み明け

冬休みが終わり、ホグワーツも賑やかになった。

愛しのリリーにも会えたことだし。

しかし、今はこの目の据わったシリウスの方が重要だ。

「・・・・やっと出られた」

「おつかれさま」

彼の家のことだ。きっと、かなり大変な扱いを受けていたに違いない。

仕方がないので、僕達は手分けして彼の大好物のチキンを取ってあげた。


「・・にしても、愛支の話、マジなのか」

「うん。マジマジ」

僕達は愛支の許可を取って、冬休みの出来事を大雑把に伝えていた。

しかし、本当に大雑把なあので、彼女がどうして鬼になったかなどは話していない。

・・というか、話しづらい。

いくら彼女が過去のことだと割り切っているのだとしても、やはりそう軽々しく話していいないようではないと思うのだ。

とはいっても、シリウスだけ知らないというのはな・・。

・・全く、彼女は本当に面倒なことを僕達に押しつけてくれた。


「愛支のこと、驚いた?」

「驚くかよ。むしろ納得したわ」

「私、あなたのそういうサバサバしたところ、結構気に入っています」

「ぅわっ!愛支!!」

「お返しに特大チキンを持ってきてやりましたよ」

「こんなサイズじゃ、俺が食べられるわ!!」

シリウスも楽しそうだし、あの後、リリーが愛支を止めにやってきたし、あのリリーが僕に話しかけてくれたから、僕もう昇天しそう。

ああでも、嬉しくてテンション上がっていたら、頭がフラフラして、眼の前が血の海になっていたのは驚いたかな。


「話すべきだと思う?」

愛支のことを心配しているリーマスは、少し迷っているようだった。

「・・いずれは知ることになるだろうし」

「悪戯仕掛け人の間に秘密はなしだ」

ピーターと僕がそういうと、またリーマスが表情を曇らせる。

「・・そうだね」

・・ああ、リーマス。僕達は君が何を抱えていようと、ずっと君の親友で有り続けるというのに。

そんな悲しそうな顔をしないでほしい。


言葉を選びつつ話すのは苦労した。

シリウスはただそうかと呟いただけだった。

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