デートは普通だった。
あの一件があったからといって、ドキドキするようなこともなければデートなんて言葉だけで友達と遊んだ、の方が正しいのかもしれない。
特別なことは何一つなかった。
おもしろいことと言えば一つある。
映画をみようと提案したら、少ししぶったようだった。
訳を聞いたら普段から映画を見ることはなく、大人しくみれるか不安だったそうだ。
手持ちぶさたにならないように緑のアイツをだしてぬいぐるみのように抱かせていた。
アイツの感触と僕に伝わっていることを言うか迷ってやめた。
ぎゅっと抱きしめて映画のラストシーンを食い入るように見ていたナマエに言うと邪魔するようで気後れしたからだ。
かと言って、今後なにか機会がないと言いにくいし。
たぶんこれから一生話すことはないだろう。
学校生活も変わりがない。
そうそう。
親からエジプト旅行に行かないかと提案されたよ。
旅行するのは嫌いじゃないし、親も僕をつれていきたいんだろう。
そういう話をしたらナマエは「お土産買ってきてよね」と念をおしてきた。
言われなくても買うよ、安心して。
買わなかったら騒ぐって想像するのはたやすいからね。
ナマエならベタにピラミッドをモチーフにしたチープな土産物でも喜ぶだろう。
ご当地キャラクターのアクセサリーをポーチにジャラジャラとつけているのを見た。
その中に僕があげる土産が追加されるんだろうか。
そんなことを思いながら今日も退屈な授業をうける。
背中にひたむきな視線を感じるのはいつものことだ。







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