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「苗字さん、好きです。良かったら付き合ってください」
「ごめんなさい」


「名前さっき告られてたやろ」
昼休みも残り僅か。自分の席に座って携帯で亮ちゃんフォルダの整理をしていたら目の前の席に忠義が座り、ニヤニヤして聞いてきた。
「悪趣味め」
「先に中庭おったの俺やし。告ってたの、隣のクラスのイケメン王子やったやん。振るとかもったいな」
「亮ちゃんじゃないと意味がないの」
あ、超かっこいい…こっそり撮ったシャツを腕まくりしてる姿の亮ちゃんを見てにやける口元をグッと忠義が片手で挟んでくる。
「ひゃによ?」
「名前、分かっとる?亮ちゃんは、先生お前は只の生徒やで。今しかない青春を棒に振ってええん?」
忠義の整った顔で真顔で言われる正論ほど、きついものはない。
「ひゃからってしゅきじゃにゃい「は?わからん」
じゃあ離して、と忠義の手を振り払えば「…はあ。」とため息つかれる。
「泣いても知らんで」
そう言って忠義は自分の席に戻り、先生が来たことで号令が鳴った。真っ暗になった携帯の画面をつければ先ほどの亮ちゃんが映った。「…本当に好きなんだよ」独り言は先生の声にかき消された。


「あれ?珍しいやん、大倉が職員室とか。なにしたん?」
授業終わりに提出物を出し忘れ職員室に来たら、授業から戻った亮ちゃんと会った。
「なんもしてへんし。提出物出しに来ただけ」
「やっぱ珍しいやん」と失礼なこと言う亮ちゃんは、自分の机に向かう。「なあ、あの日名前んち行ったん?」
俺の言葉にピタと足を止め俺のとこに戻ってきた亮ちゃんは、「お前言い方な。誤解されるやろ」と小声で言う亮ちゃんに「誤解されるようなことしたん?」と言えば。
ちらっと俺を見た亮ちゃんは、「アホ。ほらさっさと教室戻れ」と今度こそ、机に向かい他の先生に話しかけられていた。


「え、まじでなんかあったん?」

とりあえず、今すぐ教室に戻ってあのアホに事情聴取やと職員室を後にした。


20160916








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